[『月刊住職』 2015年3月号より転載]

奈良平安時代の〈知〉の相関 岩田書院 11800円
日本史黎明期の奈良、平安時代の政治社会を動かした知の体系とは何か。聖徳太子の「十七条憲法」に流れる仏教思想を筆頭に、当時の思想と権力との関係性を探る論文集。根本誠二他編。



観無量寿経 佐藤春夫訳注・石田充之解説 筑摩書房 1100円
王舎城の悲劇を導入として韋提希夫人に対する説法の形で浄土思想を伝える『観無量寿経』。その読み解きに近代の詩人で大作家が挑んだ名訳の復刊。



華厳経入門 木村清孝著 KADOKAWA 920円
仏のさとりの世界とそこにいたる道を説き示す『華厳経』。奈良の大仏をはじめ、多くの仏教美術に表現された広大無辺の世界と現代のかかわりを華厳経研究の第一人者が解説。文庫判。



佛足石記佛足跡歌碑歌研究 廣岡義隆著 和泉書院 15000円
奈良・薬師寺に伝わる国宝・佛足石と釈迦如来の足跡を讃えるなどの二十一首の歌が刻まれた佛足石歌碑をめぐる解釈に、新たな研究成果を反映した論考。「なぜ佛足石歌体なのか」他。



王梵志詩集注釈 辰巳正明著 笠間書院 12000円
王梵志とは中国の敦煌蔵経洞から発見された仏教詩集。無常観、輪廻の思想が色濃く反映され、寒山にも影響を与えた古の宗教詩を現代語訳化した。



空海伝の研究 武内孝善著 吉川弘文館 13000円
中国から帰国後、三十六歳で京都・神護寺を拠点に真言密教の法灯を掲げ、六十二歳で入定するまで布教活動を続けた空海の後半生について、史料を検証し、空海伝の見直しをはかる論考。



恵観の「新空海伝」 池口恵観著 ロングセラーズ 1500円
医学博士であり、仏教者として様々な外交問題にも取り組む〝炎の行者〟こと、鹿児島の最福寺住職が、空海の教えに基づく生き方を説いた法話集。



早わかり世界の六大宗教 釈徹宗著 朝日新聞出版 780円
仏教、ヒンドゥー教、神道、ユダヤ教、キリスト教、イスラームについて、その基本知識と魅力を比較宗教学者で浄土真宗本願寺派住職がガイドする。



英語でブッダ 大來尚順著 扶桑社 1300円
諸行無常=Everything is changingなど中学レベルの英語で仏教をぐんと身近にさせる英語仏教入門。著者はハーバード大学神学部研究員の経歴を持つ山口の浄土真宗本願寺派超勝寺衆徒。



禅の言うとおりにやってみよう 星覚著 大和書房 1300円
著者はベルリンに拠点を構え、海外の禅布教に取り組む三十代の曹洞宗僧侶。思い悩むよりも、身心一如の禅思考で生きようと呼びかける。「暇であればあるほどよいと考える」など。



おとなの仏教入門 村越英裕著 宝島社 499円
本誌別冊連載の臨済宗妙心寺派住職が監修したムック版の仏教入門書。仏教や宗派、仏像の基礎知識から、覚えておきたい仏事作法までを平易に解説。



そのままの自分を出せばいい 酒井雄哉著 PHP研究所 1000円
千日回峯行を二度成して昨年、遷化した天台宗僧侶のメッセージ集。「人生において大切なことは、人からすごいと言われることではないんだ」他。



ブッダに学ぶ賢者のマネジメント 生田一舟著 アスペクト 1600円
仏教を知るほどに経営とビジネスの要点が分かる? 元エリート銀行マンで禅僧が経営者、リーダーのためになるジャータカ説話の要諦を解説する。



生きるのがラクになる椅子坐禅 枡野俊明著 小学館 1100円
人間関係や人生に悩んだ時、疲れた時にこそ気軽に坐禅をしてほしい。横浜の曹洞宗建功寺住職が椅子坐禅の作法と呼吸法、心の持ち方を易しく指南。



うつは、治す努力をやめれば治る 大住誠著 法藏館 2800円
著者は神奈川県の真宗大谷派法閑寺住職でカウンセラー。自坊に心理相談室を開業し、人々の悩みに向き合ってきた経験から得た実践例が綴られる。



役行者のいる風景 志村有弘著 新典社 1000円
数多の伝説を持つ修行者、役行者を象った石像を祀る寺社は全国にある。陰陽師や各地の伝承説話などをテーマにしてきた著者が各地の役行者を紹介。



謎深き庭 龍安寺石庭 細野透著 淡交社 1800円
「十五の石をめぐる五十五の推理」が副題。京都・龍安寺の枯山水庭園に据えられた十五の石の謎を、一級建築士でもある建築ジャーナリストが迫る。



仏教の日 花まつり 弘文堂 1200円
「ぼくとわたしのほとけさま」が副題。お釈迦様が生まれてから亡くなるまでの生涯を子供向けに描いた絵本。あらしやまはじめ文、きたひでまろ絵。





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