[『月刊住職』 2018年9月号より転載]

般若心経註釈集成〈中国・日本編〉 渡辺章悟他編 起心書房 9600円
『般若心経』の中国・日本における古典的注釈を、唐代、奈良・平安時代の注釈、玄奘門下の二本、中観・華厳・天台・禅・密教の六本を和訳して解説。また東アジアにおける解釈も展望。



慧能研究 駒澤大学禅宗史研究会編著 臨川書店 21000円
禅宗第六祖として、禅宗史に大きな影響を与えた慧能。長く入手困難だった駒澤大学禅宗史研究会による共同研究成果『慧能研究』が、約120カ所に及ぶ修正を加えて復刻刊行された。



南無の紀行 播隆上人覚書 黒野こうき著 樹林舎 2400円
播隆上人は江戸時代の浄土宗僧侶。槍ヶ岳の開山や笠ヶ岳の再興で知られるが、里においては念仏講で庶民に教えを伝えた。かかる足跡研究がまとめられ、巻末には名号碑分布略図を収録。



行基菩薩の功績 姜健栄著 かんよう出版 2000円
社会事業から公共事業まで、民衆のために多くの事業を成し遂げた奈良時代の僧侶、行基菩薩の布教の足跡と功績を、近畿地方をフィールドに辿る。



カンタン英語で浄土真宗入門 大來尚順著 法藏館 1200円
米国ハーバード大学神学部研究員の経歴を持つ山口県の浄土真宗本願寺派僧侶が、浄土真宗用語を身近な英語に置き直して説く仏教入門。「英語で読み解く『正信念仏偈』」も収載する。



反戦僧侶・植木徹誠の不退不転 大東仁著 風媒社 1400円
「元来宗教家は戦争に反対すべきものである」と戦時下に反戦・反差別を説き、四年間も投獄された浄土真宗僧侶の生涯を真宗大谷派住職が紹介する。



道元のこころ 田上太秀著 大法輪閣 1800円
道元の『正法眼蔵』を学道・さとり・生死・修行などのテーマで分類し、現代語訳と共にその内容に迫る。「仏祖の足跡に従う」「礼拝に生きる」他。



人生に信念はいらない 細川晋輔著 新潮社 760円
東京の臨済宗妙心寺派龍雲寺住職が、人生を豊かに生きるためには「柔らかな〝心の柱?を見つけること」だと、禅思想を分かりやすく解説。新書判。



「安心」を得る 平井正修著 徳間書店 780円
歴代首相はじめ、政財界人が坐禅をしに行く東京・谷中の臨済宗国泰寺派全生庵住職が、負の感情から抜け出す禅の思想と坐禅の呼吸法を詳述する。



いきものをとむらう歴史 依田賢太郎著 社会評論社 1700円
ペットなど生活に身近な飼育動物から野生動物、さらに開発・災害・戦争犠牲動物まで日本各地にある供養と慰霊の動物塚をその歴史と共に紹介する。付録として「建立動機別動物塚一覧」。



阿修羅像のひみつ 興福寺監修 朝日新聞出版 1700円
奈良・興福寺の阿修羅像をX線CTスキャナで撮影したところ、三面の下に別の顔があった!? 九年に及ぶ画像解析成果を所蔵者、保存科学、美術史、彫刻家、木材学等の専門家が明かす。



仏像と日本人 碧海寿広著 中央公論新社 860円
現代のように仏像鑑賞が一般的になったのはいつからか。岡倉天心から、みうらじゅんなど、各時代の知識人を通じて近現代の宗教と美を考察する。



マインドフルネスと催眠 井上ウィマラ・大谷彰著 サンガ 2700円
マインドフルネスを臨床の場で実践する研究者二人が、心の成長や瞑想と催眠の類似性と相違、死への向き合い方などから問題点と今後の継承を語る。



なぜ、坐禅で「うつ」を克服できたのか? きこ書房 1300円
著者は今年83歳の脳科学医、高田明和医師。薬なしで自らの「うつ」を治療した経験と坐禅と丹田呼吸の関連性を説く。「呼吸のいろいろ」など。



続仏教語源散策 中村元編著 KADOKAWA 920円
日本人の気づかないところで、仏教の言葉がはたらいている。愚痴、律儀、以心伝心など日常的に使われる仏教語からその思想に迫る入門書。文庫判。



しししのはなし 正木晃著 CCCメディアハウス 1400円
人はいつ死ぬの? 死んだらどうなるの? 幽霊を見てしまったら? 宗教学者が素朴な疑問にやさしく答える死生学入門。絵はクリハラタカシ。



こんな樹木葬で眠りたい 上田裕文著 旬報社 1500円
都市部のお寺でも新たな埋葬法として注目を集める樹木葬。森林研究者が日本と先進のドイツの樹木葬墓地を訪ね、今後の樹木葬墓地の課題を提言。



ワクワクを探して Let’s お墓参り 啓文社書房 1500円
お墓参りが人生をプラスの方向に導いてくれる。石材店経営者が、墓参の功徳を自身の経験や名言と共に紹介。著者は藤原巧&お墓参り委員会。勝桂子監修。





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