[『月刊住職』 2019年4月号より転載]

永平寺史料全書 文書編 全3巻 吉川弘文館 各巻28000円
道元禅師から近代に至るまでの膨大な歴史資料を集成した大本山永平寺初の本格的史料集の文書編全3巻が完結。貴重な各史料には解説と読み下しを付す。永平寺史料全書編纂委員会編著。



アジア仏教美術論集 東南アジア 中央公論美術出版 5800円
全12巻からなるアジア美術論集のシリーズ第5回配本は東南アジア編。美術、建築、歴史、宗教、考古学など幅広い専門研究者による最新の論考18編を収録する。肥塚隆責任編集。



東アジア仏教史 石井公成著 岩波書店 880円
インドに生まれ、シルクロードを経て東アジアに伝えられた仏教は相互交流を重ね、独自の経典を創り出した。二千年にわたる仏教史を政治・社会・文化とのかかわりから捉える。新書判。



ジャータカ物語 入澤崇著 本願寺出版社 1500円
釈尊の本生譚『ジャータカ』は世界各地の説話や文学に影響を与えてきた。龍谷大学学長で仏教文化研究の第一人者が、仏塔に残るジャータカ図などをもとに古代インドの物語を読み解く。



《唯識》で出会う未知の自分 横山紘一著 幻冬舎 780円
「心はどこにあるのか」「死んだらどこに行くのか」など答えのない疑問に向き合う術を、唯識思想を通じて高校生向けに分かりやすく説いた講義録。



古代日本の穢れ・死者・儀礼 尾留 川方孝著 ぺりかん社 7000円
日本人は死者にどのような態度を取ってきたか。宮廷祭祀、天皇の葬儀、仏教説話や物語に描かれた死の捉え方から死者理解・死者観念が論じられる。



茶の湯と仏教 僧侶の事跡から辿る 筒井紘一著 淡交社 4000円
茶の湯といえば臨済禅との関係がよく知られるが、日本仏教各宗の僧侶たちはどうだったのか。古代から近代にかけて仏教と茶の湯のかかわりを検証。



仏教婦人雑誌の創刊 岩田真美・中西直樹編著 法藏館 6000円
十九世紀後半、女子教育が注目され始めると同時に登場したのが仏教婦人雑誌だ。当時の教団は女性たちに何を伝えようとしたのか。メディアを通じて近代仏教と女性の問題に迫る論考集。



〈僧侶らしさ〉と〈女性らしさ〉の宗教社会学 晃洋書房 4200円
多様な背景を持つ僧侶が活躍する時代に性差はどう影響するのか。日蓮宗の女性僧侶の事例を中心に僧侶社会の実態が浮き彫りにされる。丹羽宣子著。



歌う尼さんのほっこり法話 やなせなな著 国書刊行会 1500円
各地で法話コンサートを続けるシンガーソングライターの奈良の浄土真宗本願寺派住職が、自らの宗教的原風景や音楽活動への思いを歌詞も交えて綴った絵本エッセイ集。みよこみよこ絵。



続・仏教なんでも相談室 鈴木永城著 大法輪閣 1600円
長寿の悩み、子供にスマホをねだられたら、など現代人の抱える生老病死の悩みに長年、「仏教テレフォン相談」に従事してきた曹洞宗僧侶が回答する。



眠れないほど面白い空海の生涯 由良弥生著 三笠書房 980円
高野山を開創し真言宗の基礎を築いた弘法大師の日本と中国をまたぐ波乱万丈の人生を、大胆に描写した評伝。「帰国後の最澄と空海と天皇家」など。



怪異学の地平 東アジア恠異学会編 臨川書店 7000円
人の心に不安や不穏をかきたてる怪異とは何なのか。古代から現代に至るまで、天災や宗教から考察した14の論考集。「護符信仰と人魚の効能」他。



九條武子さまと諸行無常の心 淺田恵真著 探究社 350円
本願寺宗主の大谷光瑞の妹で、歌人としても知られた九條武子。龍谷大学名誉教授が関東大震災について詠んだ歌などをもとに諸行無常を綴っている。



江島詣 鈴木良明著 有隣堂 1000円
日本屈指の観光地、江ノ島は江戸時代までは神仏習合の弁財天の島だった。庶民の参詣所として親しまれるようになった弁財天信仰の変遷が辿られる。



日本を彩る香りの記憶 内野花著 大阪大学出版会 1600円
日本に息づく香りの文化を、仏教から歳時記、恋文など歴史や物語から解説する。「光明皇后の施浴伝説」「可愛さあまって『樋箱簒奪事件』」など。



世界のすごいお葬式 D・ケイトリン著 新潮社 1700円
アメリカで葬儀社を営む著者が、日本、インドネシア、中南米、スペインなど各国の葬儀を実地で見て考えた葬儀探訪記。「住民参加の野外火葬」他。



てのひらのえんぎもの 佐々木一澄著 二見書房 1500円
商売繁盛、無病息災、子宝・安産祈願など、お寺の頒布物にも縁の深い、全国各地の縁起物や郷土玩具243個をイラストと共に紹介している。





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