[『月刊住職』 2020年1月号より転載]

仏教説話画論集上巻 加須屋誠著 中央公論美術出版 30000円
地獄絵や六道絵巻などの説話画は民衆教化の絵解きに使われたことから、絵巻や掛け軸など様々な形態がある。美術史研究の碩学が、図像解釈学の手法で読み解く。下巻は今年秋の予定。



民間念仏信仰の研究 坂本要著 法藏館 17000円
融通念仏・大念仏・六斎念仏・双盤念仏・念仏踊りなど、民衆の生活のなかで息づいてきた念仏信仰について、全国約六百カ所の民俗調査をもとにその諸相と歴史を明らかにした学術書。



中世地方寺院の交流と表象 岡野浩二著 塙書房 15000円
中世における地方の寺院の運営状況は中央とどう違っていたのか、人的交流も含めて実像を浮き彫りにする論文集。「勝尾寺と摂津国の山岳寺院」他。



現代修験道の宗教社会学 天田顕徳著 岩田書院 4800円
副題は「山岳信仰の聖地『吉野・熊野』の観光化と文化資源化」。現代における修験道は明治維新以来の転換期にあるという。現代の講の衰退、霊山や修験道の開放化に視点をあてた論考。



古代寺院 吉村武彦他編 岩波書店 2600円
六世紀の飛鳥寺に始まり、各地に建立された寺院は、古代日本の社会・国家・文化を考える歴史情報の宝庫。文献史学・歴史考古学・美術史学・建築史学を通じた最新研究から実像を描く。



維摩経の世界 白石凌海著 講談社 1950円
在家仏教者の維摩居士が、問答形式で大乗仏教の根本を説く『維摩経』。近年、チベットのポタラ宮で発見されたサンスクリット語写本の読解と研究成果をふまえ、その魅力と世界を説く。



大日経・金剛頂経 大角修訳・解説 KADOKAWA 1160円
真言密教の二大根本経を全品現代語訳、図版やコラムも収載し、教義と実践作法の核心が一般向けに分かりやすく説かれている。「五輪塔と身体」他。



チベットの宗教図像と信仰の世界 長野泰彦他編 風響社 5000円
チベットの精神的基層には何があるのか。広く信仰されている宗教図像と護符に注目しその内容・意味・用途などを調査研究を通じて浮き彫りにする。



「悟り体験」を読む 大竹晋著 新潮社 1400円
前近代から近代にかけて得られた大乗仏教の悟り体験記を読み解き、伝統的に「悟り」と呼ばれた覚醒体験の実相に迫る。「悟り体験と精神異常」他。



神仏と中世人 衣川仁著 吉川弘文館 1700円
「宗教をめぐるホンネとタテマエ」が副題。中世の人々は神仏にいかに依存し、どう利用したのか。期待と実際のズレなどから民衆の信仰の内面に迫る。「形式的に神仏の罰を恐れる」他。



禅語に学ぶ生き方。死に方。向上編 禅文化研究所 1600円
西村惠信・禅文化研究所前所長が、日常生活に禅を取り入れてほしいと90の禅語を書き下ろした。「仏は、トイレのペーパーか」など。西村惠学写真。



まがったキュウリ C・デイヴィッド著 サンガ 4500円
サンフランシスコ禅センターを開き、アップルのジョブズはじめビートニク世代に大きな影響を与えた曹洞宗僧侶、鈴木俊隆(1904〜71)の評伝。



拈自己抄 内山興正著 大法輪閣 2100円
必死に生きたいのに死なねばならぬ己のいのちの問題にどう取り組むか。仏教とキリスト教に問い続けた昭和の禅僧の思索。「宗教の根本問題」他。



仏教なるほど相談室 真城義麿著 東本願寺出版部 1200円
なぜ葬儀や法事でお経をとなえるのか? 天国や地獄は本当にあるのか? 子どもたちの素朴な疑問に宗門校の元校長で真宗大谷派住職が易しく答える。



日本の民俗宗教 松尾恒一著 筑摩書房 880円
お正月の門松、修正会、盆踊りなどはどのような歴史的背景から生まれたか。古代から現代まで様々な外来の影響を受けて形成された信仰が探られる。



今を生きるための仏教100話 植木雅俊著 平凡社 1100円
ブッダが問いかけたことは何だったのか。ジェンダー、教団の権威化、科学との接点など、仏教を今に生きるための思想として百のテーマで捉え直す。



出家への道 プラ・アキラ・アマロー著 幻冬舎 780円
著者は日本人の直木賞作家。仕事に行き詰まり逃げるように移住した先が仏教国タイ。同国で仏教に触れ生き直す体験記。「俗世を捨てる決心」など。



仏教手帖2020 仏教伝道協会 2300円
日々の生活の中に仏教を取り入れてほしいと仏教伝道協会が初めて作成した仏教入門的スケジュール帳。お釈迦様の教えや法事の基礎知識などを付す。





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