[『月刊住職』 2020年9月号より転載]

日本宗教史 全6巻 伊藤聡他編 吉川弘文館 各巻3800円
日本宗教史の視座から日本の社会や文化、世界における日本の位置づけを考究し、日本の宗教概念を問い直すシリーズ。七月刊行の第1回の配本タイトルは「宗教の融合と分離・衝突」。



禅林の文学 朝倉尚著 清文堂出版 21000円
「戦乱をめぐる禅林の文芸」が副題。応仁・文明の大乱に遭遇した禅僧はその状況下をいかに生きたか。横川景三と桃源瑞仙を中心に、主に生の軌跡と五山禅林の復興の動きが論じられる。



『教訓抄』に語られる中国音楽説話の研究 王媛著 三元社 3000円
 『教訓抄』とは、鎌倉時代の雅楽家である興福寺の狛近真が著した雅楽書。仏教的な解釈を通じて唐代の音楽をいかに日本に伝えようとしたのか、同書と唐代文献との照合から解き明かす。



科学化する仏教 碧海寿広著 KADOKAWA 1700円
科学との接点を持たざるを得なかった近現代の仏教。昨今のマインドフルネスの流行へと至る、過去百年の日本仏教の変遷を若手研究者が描き出す。



日本の庶民仏教 五来重著 講談社 1110円
仏教は庶民に浸透するなか各地で独自の信仰文化を形成してきた。山の薬師、海の薬師、イタコ、踊り念仏など庶民の信仰を通じ、仏教民俗学の碩学が仏教文化を問い直した名著。文庫判。



吉野と大峰 山岳修験の考古学 森下惠介著 東方出版 3800円
世界遺産にも登録された吉野大峰修験道。山岳遺跡の踏査を行ってきた奈良県立橿原考古学研究所共同研究員が、考古学の視点から山岳信仰を考察する。



中世墓の終焉と石造物 狭川真一編 高志書院 5000円
室町時代後期から江戸時代初期にかけて石塔は小型化し、量産化に向かった。全国各地に残る文化財未指定の膨大な石造物を調査し、中世墓終焉の様子を探り出す学史上初の試みの成果。



近江商人の魂を育てた寺子屋 中野正堂著 法藏館 2000円
近江商人発祥の一つ、滋賀県五個荘地区は江戸時代より寺子屋が盛んに行われた。自らも教育者として歩んできた同地の臨済宗妙心寺派乾徳寺住職が「三方よし」を育んだ精神の源に迫る。



探訪 真宗民俗 蒲池勢至著 東本願寺出版 1600円
副題は「儀礼の伝承と現代社会」。全国各地の真宗門徒の特色ある信仰儀礼を研究してきた著者が、現代につながる真宗門徒の生活と信仰を探訪する。



だれだっておどろく! こんなにもすばらしい10人の住職 『月刊住職』編集部編 興山舎 2000円
本誌にご紹介した住職ルポから10人を選び単行本化する第2弾。性同一性障害を乗り越えた住職、毎月3千軒以上に寺報を手配りする住職など、その営みは今お寺で起きている事実が瞭然と分かる感動集です。



なりゆきを生きる 玄侑宗久著 筑摩書房 1600円
本誌にも連載中の作家で臨済宗妙心寺派住職が、世の移り変わりを見つめながら『東京新聞』等に7年半にわたって掲載した人気エッセイの単行本化。



苦悩と不安の手放し方 池口恵観著 KKロングセラーズ 1050円
政治家やスポーツ選手など多くの悩める著名人が救いを求める鹿児島の高野山真言宗住職の法話集。「苦悩からあなたは必ず引き上げられる」など。



正々堂々私が好きな私で生きていいんだ サンマーク出版 1300円
著者はメイクアップアーティストとしても世界的に活躍する浄土宗僧侶、西村宏堂師。LGBTQとしての自身を肯定し、命を輝かせるエッセイ集。



定命を生きる 枡野俊明著 小学館 1400円
定まった命をどう生きるか。横浜の曹洞宗住職が、仏性に近づく生き方を禅的メソッドから具体的に提唱する。「体力よりも元気をつける」など。



神谷町オープンテラスのおもてなしお寺スイーツ12カ月 木原祐健著 河出書房新社 1650円
東京の浄土真宗本願寺派光明寺のオープンテラスで、店長として日々、接待に励む僧侶によるエッセイとレシピ集。



グローバル化時代の宗教文化教育 井上順孝著 弘文堂 2600円
自覚の有無はさておき日常生活や身の回りに深くかかわる宗教文化。グローバル化が進んだこの十年に広がりを見せた宗教文化教育について詳述する。



日本書紀に秘められた古社寺の謎 三橋健編 ウエッジ 1300円
日本最古の歴史書『日本書紀』に登場する古社寺はいかなる影響力を持ったか、神道学者がその謎に迫る。「蘇我氏の興亡を見据えた飛鳥大仏」他。





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