[『月刊住職』 2020年12月号より転載]

菩提心論の解明 北尾隆心著 東方出版 5000円
空海の思想の基盤ともなった『菩提心論』を種智院大学教授でもある真言宗智山派住職が、現代語訳とともに解説し、論考で詳述する。関連論文も付す。「『大乗密厳経』について」など。



インド仏教思想史上下巻 ひろさちや著 佼成出版社 各巻2200円
日本仏教の復権と再構築のためには、インド仏教の成立と展開に注目する必要があると著者はいう。釈尊から、部派教団の誕生、大乗仏教の必然性へと向かう流れを分かりやすく説いている。



日本仏教はじまりの寺 元興寺 元興寺編 吉川弘文館 2200円
南都七大寺の一つである奈良の元興寺は、蘇我馬子が創建した法興寺(飛鳥寺)が平城遷都に伴って移転したところに始まる。千三百年の歴史と文化財を各分野の専門家が解説した講演集。



本願寺の草創 藤井哲雄著 中山書房仏書林 2600円
「覚信尼と覚如上人」が副題。本願寺第三世の覚如は大谷廟堂の寺院化に尽力し、今日に至る本願寺教団の礎を築いた。教団初期の歴史が解説される。



講座日本民俗学2 不安と祈願 新谷尚紀編 朝倉書店 3300円
シリーズ講座民俗学の第二巻は、お寺と檀家の関係や、家の中の宗教性、祈祷と神がかりなど高度経済成長によって変貌した民俗信仰の変遷の実態を追跡。「都市と村落における寺院」他。



令和版 仏の教え 大谷光淳著 幻冬舎 1300円
副題は「阿弥陀さまにおまかせして生きる」。浄土真宗本願寺派門主が仏事の基本、浄土真宗の教え、疫病への向き合い方まで問いに答える法話集。



仏像さんを師とせよ 八坂寿史著 淡交社 1700円
著者は岡倉天心創設の美術院国宝修理所の修理工房のトップ。東大寺南大門仁王像、薬師寺大講堂弥勒三尊像など国内外のあらゆる仏像の修理を通じて見た仏像をめぐるドラマが綴られる。



社寺会堂から探る江戸東京の精神文化 中島隆博他編 勁草書房 3000円
江戸から近代国家の首都となった東京。そのダイナミックな変化を支えた精神文化を仏教・神道・儒教・キリスト教・イスラームの宗教施設が集まる湯島神田上野地区から探り今後を展望。



お葬式の言葉と風習 高橋繁行著 創元社 1800円
日本人は死をどう捉えてきたのか。柳田國男の『葬送習俗語彙』から約180語を選び、著者自身の聞き取り調査も加え、葬送習俗を解説している。



お盆本 お盆研究会編著 石井図書製作 1400円
踊りや歌、火を使いながらの死者供養としてのお盆を遠野、郡上に取材するとともに、アイスランドにおける類似の文化も調査し、写真と共に紹介。



宗教文化は誰のものか 永岡崇著 名古屋大学出版会 5400円
国家権力が二度にわたり行った苛烈な宗教弾圧、大本弾圧事件は戦後、いかに読み直されてきたのか。若手研究者が、民衆宗教の戦後史を読み解く。



知っておきたい日本の宗教 ミネルヴァ書房 2200円
お正月やお盆、日本の聖地巡礼を外国の人に問われたら、きちんと答えられるか。若手研究者が宗教の基礎知識をまとめた。岩田文昭・碧海寿広編著。



生まれてこないほうが良かったのか? 森岡正博著 筑摩書房 1800円
生まれてこないほうがよかったという「反出生主義」の超克のため古代インドの宗教哲学、原始仏教、近代の哲学者まで古今の思想を辿り模索する。



疫病の日本史 本郷和人・井沢元彦著 宝島社 830円
疫病の教訓が宗教、文化、政治、外交にも影響をもたらした。疫病から見た日本史に歴史家と作家が迫る。「仏教は火を使い、神道は水に流す」他。



コロナの時代をよむ 釈徹宗・永田和宏著 NHK出版 800円
NHKEテレ「こころの時代〜宗教・人生 コロナの時代を詠む」のテキスト版。宗教学者住職と、歌人で細胞生物学者との対談に追加対談もある。



「宗教」で読み解く世界史 宇山卓栄著 日本実業出版社 1700円
宗教勢力の隆盛から歴史の本源が見えてくる。宗教と地政学の視点から世界の様相を読み解く。「中華の膨張に誰が屈し、誰が屈しなかったのか」他。



現代宗教とスピリチュアル・マーケット 山中弘編 弘文堂 3800円
パワースポット、聖地巡礼など、現代の市場に見られる宗教的要素とその多様な様相を分析する。「ツーリズムによる聖地運営システムの構築」など。



てくてく地獄さんぽガイド グラフィック社 1600円
副題は「今こそ行こうよ、地獄」。地獄ってどんなところ? 室町期以降にできた「新しい地獄」とは? 地獄の世界観を易しく解説する。田村正彦著。





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