[『月刊住職』 2021年3月号より転載]

近世初期浄土宗の群像 宇高良哲著 青史出版 10000円
江戸時代の関東仏教教団の宗教政策研究を行っている著者による、近世初期関東浄土宗教団史研究の集大成。観智国師源誉存応をはじめ、浄土宗史上の多彩な人物像を史料に基づき究明。



仏教事典 日本佛教学会編 丸善出版 24000円
仏教の基本的定義からその歴史、思想内容、文化への影響、さらに現代社会における仏教の社会的実践までを網羅した読む中項目事典(A5判、768頁)。付録に宗派系統図も附す。



栄西 大いなる哉、心や 中尾良信著 ミネルヴァ書房 3000円
二度の入宋を果たし、帰朝後は叡山より弾圧を受けるも『興禅護国論』を上進して禅宗の立場を守った日本臨済宗の開祖・栄西。その思想を達磨宗や鎌倉幕府との関係から浮き彫りにする。



禅の言葉とジブリ 細川晋輔著 徳間書店 1600円
ジブリアニメ大ファンの臨済宗妙心寺派住職がジブリ作品のメッセージと禅の共通点を綴る。「『大死一番、絶後再び蘇る』と『魔女の宅急便』」など。



禅百題 鈴木大拙著 河出書房新社 2000円
生誕150年を迎えた鈴木大拙。禅とは何かを追究し、国内外にその思想を伝えた大拙の禅入門書の復刊。「筋肉生活と思想」「機械文化と禅」他。



名僧のことばでわかる仏教入門 釈徹宗監修 宝島社 1180円
「たとい法然聖人にすかされまいらせて、念仏して地獄に堕ちたりとも、さらに後悔すべからず候」など、時代を超えて強く心に語りかけてくる名僧30人の軌跡と言葉を味わう仏教入門。



だれでもわかるゆる仏教入門 松﨑智海著 ナツメ社 1300円
著者はユニークな掲示板でも知られる北九州の浄土真宗本願寺派住職。宗教科教員の経験も生かされた分かりやすい仏教の解説と、宗派別で僧侶に開祖をプレゼンしてもらう取材も収録。



浄土真宗の智慧 瑞田信弘著 アートヴィレッジ 1200円
著者は終活支援団体の代表も務める香川の浄土真宗本願寺派住職。仏教に関心を持った人に生きる指針としてもらうべく、釈尊から親鸞に至る歴史と教えを分かりやすく丁寧に説く入門書。



一遍 念仏聖の姿、信仰のかたち 長澤昌幸著 佼成出版社 1600円
シリーズ「構築された仏教思想」の最新版は一遍。浄土仏教から連なる聖の系譜とその思想、教団の発展を辿る。「『聖絵』から見た一遍の生涯」など。



仏教百人一首 大角修編著 法藏館 1400円
仏教は理屈でなく心に響くもの。仏教伝来から近現代に至るまで庶民、僧侶、武士、貴族、天皇などにより歌に詠みこまれてきた仏教思想が辿られる。



新しい生活スタイルで考えるお葬式・ご供養 ベストブック 1400円
 著者はファイナンシャルプランナーの資格も持ち、幅広く活躍する宮城の曹洞宗松岩寺の小黒澤和常副住職。僧侶の視点から葬儀、供養について提言。



聖徳太子は長屋王である 木村勲著 国書刊行会 1800円
「冤罪『王の変』と再建法隆寺」が副題。政界の重鎮でありながら謀反の嫌疑から自死に追い込まれた事件「長屋王の変」を、新たな視点から読み解く。



モンゴルの仏教寺院 楊海英編 風響社 3000円
かつて1900あったモンゴルの寺院は中国共産党とソ連型社会主義の宗教弾圧によりほぼ廃墟と化した。30年にわたる現地調査と聞き取りの成果。



宗教と風紀 高尾賢一郎他編 岩波書店 5900円
法律や規則、あるいは規範として社会から守ることを期待される風紀(ルール)はいかに形成されるか。宗教とのかかわりを軸に読み解く研究論集。



新編 山頭火全集 第一巻 春陽堂書店 4000円
山口県に生まれ曹洞宗で得度した自由律俳句の種田山頭火。山頭火研究の第一人者である村上護が監修・校訂した全集を基に、全八巻で作品を収録。



日本のたてもの 東京国立博物館著 青幻舎 2800円
副題は「自然素材を活かす伝統の技と知恵」。飛鳥時代の法隆寺五重塔から昭和の日本橋高島屋まで、日本の伝統建築物とその技術に迫る図と解説本。



震災と死者 北原糸子著 筑摩書房 1700円
震災犠牲者の遺体はいかに扱われたのか。災害史研究者が東日本大震災、関東大震災、濃尾地震の事例から、行政・寺院・メディアの災害対応を検証。



町を救ったお地蔵さま 安治川波除 地蔵尊 JDC出版 1200円
安治川波除地蔵尊は大阪市の安治川堤防に祀られる地蔵。廃仏毀釈から再び信仰を集めた実話を地元の保存会が絵本化。文・かめいすみお、絵・うた。





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