[『月刊住職』 2023年9月号より転載]

論集 修験道の歴史1 修験道とその組織 岩田書院 川崎剛志・時枝務他編 6380円
主に1980年代後半以降に公刊された修験道に関する主要論文を集成。その意図や各論文の意義などを解説す る。全3巻構成の第1巻で以下続巻。



中世修験道の展開と地域社会 小山貴子著 同成社 9900円
修験道の地域的基盤や顕密寺院との関わりを分析。山伏らが集団化していく動向に着目し、中世社会における修験道の実態と近世への展開を論じる。



ダンマパダ ブッダ真理の言葉 今枝由郎訳 光文社 814円
最古の仏典を、チベット歴史文献学を専門とする研究者が現代語訳。漢訳仏教用語は極力用いず日常的な言葉を心がけたという著者による同社古典新訳文庫『スッタニパータ』に続く刊行。



新・空海論 竹村牧男著 青土社 4620円
空海の思想を仏教学者が総合的に論じる。不確かな伝承は排除し、先行研究を参照しつつ著作を深く読み込むことで、即身成仏や曼荼羅の核心を捉える。詩や書の作品も密教的に解釈する。



浄瑠璃寺の365日 佐伯功勝著 西日本出版社 1870円
京都府の真言律宗浄瑠璃寺住職が綴るエッセイ集。九体阿弥陀如来像と浄土式庭園で知られる名刹の日常風景と花ごよみ、寺宝と境内、周辺地域を含む時代の変遷をカラー写真と共に紹介。



阿弥陀仏と浄土 内藤知康著 法藏館 2200円
本願寺派僧侶で真宗学者が定年退職前最終年に講義した「真宗学概論」を活字化して収録。喜寿記念にと教え子らが原稿を整理したが、惜しくも著者が76歳で往生後の刊行となった。



真宗児童聖典 青少幼年センター制作 東本願寺出版 1100円
真宗門徒が拠りどころとする浄土三部経と日常勤行する「正信偈」を子供向けに現代の言葉で語り直す。大正時代の宗門機関誌連載を吟味し書籍化。



結婚してお坊さんになりました 釈純蓮著 本願寺出版社 1650円
東京で会社勤めののちにお寺の跡取り息子と結婚し、30を過ぎて仏教を学び僧侶となった著者のエッセイ集。 寺院生活の戸惑いと充実の日々を綴る。



評伝良寛 阿部龍一著 ミネルヴァ書房 8800円
「わけへだてのない世を開く乞食僧」を副題にアメリカ在住の仏教学者が禅僧良寛の生涯を辿る。通説を疑い、とくに曹洞宗との関係は当時の事情を検証し決別していた史実を明らかにする。



認知症を幸せにするケース45 排泄も徘徊も大丈夫! お坊さんケアマネの実話 日髙明著 興山舎 2530円
本誌好評連載が単行本になりました。認知症介護のこれほど卓越した現場報告は稀です。グループホームで入所者の一挙一動に寄り添う社会福祉士であり僧侶にして思想家による、共助の長寿幸福論。



増補カラー版九相図をよむ 山本聡美著 KADOKAWA 1914円
死体が腐敗し白骨化する変化を描く九相図を解説。不浄や無常を視覚に訴える作品を中世から近現代まで辿る。 文庫化に際し全作品がカラー図版に。



臨床と宗教 孫大輔編著 南山堂 275円
家庭医療専門医が宗教者や研究者と対話し、スピリチュアルケアの心構えを考える。対話相手は融通念佛宗僧侶森田敬史、宗教学者島薗進ほか計5人。



妖怪学とは何か 井上円了著 講談社 1177円
妖怪博士の異名をとる明治の哲学者は迷信を打破しようと怪奇現象を種明かしした。「おばけの正体」ほか論考や講義録を文庫化。菊地章太編・解説。



亜宗教 中村圭志著 集英社 1056円
伝統宗教に代わり近現代に現れたいかがわしい信仰の数々を宗教学者が辿る。オカルト、スピリチュアル、疑似科学、陰謀論、Qアノンなど。新書判。



マインド・コントロールの仕組み 西田公昭監修 カンゼン 1760円
マインド・コントロールの構造をイラストと共に解説する。催眠商法、霊感商法、なりすましなど具体的な心理操作の被害から身を守る方法を伝える。



列車にのった阿修羅さん いどきえり著 くもん出版 1540円
先の大戦中に奈良の仏像が疎開した史実に基づく児童文学。自宅で阿修羅像を見た少年の戦後にかけての変化と成長を描く。監修・解説は深澤吉隆。



宗教法人の法律相談 本間久雄著 青林書院 5170円
宗教法人の業務と事業の適切な運営のための手続きと実務を解説。重要判例や財産管理、トラブル対応も詳述。 庄司道弘監修、横浜関内法律事務所編。





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