[『月刊住職』 2024年4月号より転載]

岩波講座社会学第3巻 宗教・エスニシティ 岩波書店 3740円
現代社会の諸問題を論じる全13巻シリーズの中で宗教と民族がテーマの巻。櫻井義秀「宗教とウェルビーイング」、髙瀨顕功「人口減少社会における宗教の戦略」ほか全13編を収録。



玄奘三蔵がつなぐ中央アジアと日本 近本謙介他編 臨川書店 5940円
アジア各地に残された玄奘の足跡、信仰、訳経などを史学・美術・考古・文学の研究者11人が考察。名古屋大の国際ワークショップの成果を書籍化。



朝鮮鐘 新装版 坪井良平著 吉川弘文館 27500円
李氏朝鮮時代に製作された朝鮮鐘の装飾・銘文・法量などのデータと図版を掲載し解説。『日本の梵鐘』『日本古鐘銘集成』に続く3部作の新装復刊。



仏教儀礼の音曲とことば 柴佳世乃著 法藏館 9900円
法華経読誦をはじめとする中世の芸道としての読経や唱導の歴史的意味を考察。講式の復元を試みて今は途絶えた儀礼を音曲と言葉の両面から論じる。



インド思想史 中村元著 講談社 1353円
『リグ・ヴェーダ』に始まりウパニシャッドや諸宗教と六派哲学、近代のガンジーまでインド三千年を超える思想の歴史を概説。仏教は時代ごとの変遷を詳述。1968年刊行書の文庫化。



ブッダに学ぶ老いと死 山折哲雄著 朝日新聞出版 869円
92歳の仏教学者が病気と老いの体験を振り返り、ブッダの悟りを開く前と最晩年の生き方に学ぶ。俗と聖を行き交う林住期にこそ人生百年時代を生きるヒントがあると提言。新書判。



やさしくわかる仏教の教科書 石田一裕監修 ナツメ社 1760円
仏教の基礎知識を図解で平易に説く入門書。縁起の原理や修行法、上座部と大乗の世界観の違い、日本仏教各宗派の特徴などを手際良く整理し、マインドフルネスほか現代事情にも言及。



増補 破戒と男色の仏教史 松尾剛次著 平凡社 1760円
中世日本の寺院で行われていた女犯や男色など破戒の実状をたどり、相対する叡尊教団の戒律復興運動に注目する。2008年刊行書の増補改訂版。



達観するヒント 名取芳彦著 三笠書房 1650円
現代人の悩みに真言宗豊山派住職が仏教の智慧で答える法話集。人生に意味はない、人間関係はいつか終わるなど、常識とは逆の考え方を提示し解決に導く1ページ読み切りの92編。



31の味わいお寺の掲示板 東本願寺出版 935円
掲示板伝道で使える31の法語を掲げ、それぞれの言葉の味わいを真宗僧侶が語る。執筆は和田稠・武田定光・蓑輪秀邦・靍見美智子ほか。文庫判。



むすんでひらいて 玄侑宗久著 集英社 1980円
「今、求められる仏教の智慧」を副題に芥川賞作家の臨済宗住職がコロナを経ていのちの大切さや人とのつながりを語る。哲学者の大竹稽を聞き手に話題はいろは歌から華厳思想へと展開。



道元『正法眼蔵』を読む 角田泰隆著 KADOKAWA 1320円
曹洞宗開祖道元の著書を同宗住職で研究者が解説。禅の思想を説く原文の要点をやさしく伝える。NHK 「宗教の時間」12回放送テキストの文庫化。



ゴーガンと仏教 有木宏二著 みすず書房 7260円
楽園タヒチで暮らした画家ポール・ゴーガンはブッダの教えに帰依していた。西洋美術史家が彼の著作や書簡を読み解き、その信仰を明らかにする。



世界の神々100 沖田瑞穂著 筑摩書房 1034円
インド、ギリシア、北欧、日本ほかの百の神を神話学者が解説。戦神・豊穣神・死神などの分類によって似た役割が地域ごとにいると分かる。新書判。



世界遺産韓国の山寺 宋寛著 社会評論社 1540円
在日韓国人の元新聞記者がテンプルステイという体験宿泊で巡った韓国の18カ寺を案内。世界遺産含む各寺院の特徴と歴史をデータと共に紹介する。



関東にあるお寺と仏像 高山雄輔著 ブイツーソリューション 1540円
関東地方の一日旅行で同じエリアの2、3カ寺を巡って仏像を拝観する22のモデルコースを紹介。仏像愛好家が実地訪問を元にエッセイ風に綴る。



東京和楽日和 瀬戸龍哉著 G.B. 3960円
二十四節気七十二候の見出しとともに季節の歳事や食の旬、記念日や東京周辺の伝統的行事を紹介。増上寺花まつりや神田祭など約400項目を収録。



心がスッとラクになる仏像なぞり描き帳 宝島社 880円
薄く印刷された像の上をペンでなぞる方式の写仏本。計38体それぞれの特徴やご利益の解説も付く。仏像ガイドの政田マリ監修、画は小酒句未果。





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