[『月刊住職』 2026年9月号より転載]

陀羅尼を読む 小野卓也著 佼成出版社 3960円
古来、翻訳が避けられてきた陀羅尼の読み方、意味、功徳などの文化的背景を解説。般若心経・法華経・大悲心陀羅尼・楞厳呪・甘露門ほかを収録。



原始仏教 ブッダから大乗成立へ 清水俊史著 講談社 1100円
ブッダが説いた教えを初期仏典に基づき忠実に読み解く。先行研究を踏まえつつも歴史と神話を線引きせず、古代の視点に立って原始仏教を捉え直し、大乗仏教とのつながりも論証。新書判。



チベット仏教 吉水千鶴子著 岩波書店 1166円
先の大戦後に中国の主権下に置かれてもなおチベットの人々の心を支える仏教の歴史を論述。実践的修行と精緻な教理という特徴を教義論争などからひもとく。



『観無量寿経』講義 阿満利麿著 筑摩書房 1540円
浄土三部経で最後に成立したとされる『観無量寿経』を平明に現代語訳して解説する。座談会「『観無量寿経』を語る」と巻末に原文も収録。文庫判。



中世の臨済禅 市川浩史著 ぺりかん社 4400円
禅を諸宗派に通底するものと捉えた円爾、仏教を広く伝える説話集を編纂した無住、日本の価値を見いだした虎関師錬の系譜を日本思想史学者が辿る。



「うき世」の思想 橋本峰雄著 法藏館 1320円
哲学者で浄土宗住職が日本人の人生観を考察。「うき世」という言葉を古代中世の和歌や仏教祖師の思想、近代の文学に探し、享楽的な浮世と厭世的な憂世は表裏一体と結論する。文庫判。



東寺と京都の一二〇〇年 新見康子著 吉川弘文館 1870円
平安京に創建された東寺と都である京都との関係を平安時代から昭和前期まで考察する。今日まで区画と伽藍配置を保ち、数多くの寺宝を守り続けてきた理由を同寺学芸員が解き明かす。



山に棲む霊 佐藤弘夫著 エイアンドエフ 2420円
副題は「日本人と山の信仰」。山に対する観念は時代により変遷してきた。山林修行や山中他界観、信仰登山などから山をめぐる思想を明らかにする。著者による弊社刊行の3巻もご参考に。



平和で在る力 石上智康著 中央公論新社 1650円
浄土真宗本願寺派住職で元総長の著者が、「今ここと永遠の挑戦」を副題に、戦争と平和について思索。平和を維持するために必要なことを提言する。



忘れられない言葉 川村妙慶著 東本願寺出版 1100円
アナウンサーの傍ら多くの悩み相談に応じてきた真宗大谷派僧侶が、これまで出会った有名無名の30人の言葉を紹介し、どう影響を受けたかを語る。



もし禅宗の僧侶が余命一年を宣告されたら 枡野俊明著 笠間書院 1980円
余命1年の生き方を禅の知恵や高僧たちの言葉をもとに考える。老いと死を正面から見つめ、弔いの習慣に先人が込めた工夫を曹洞宗住職が読み解く。



カナシイホトケ 奥山淳志著 みすず書房 3740円
岩手に移住した写真家が東北の祭礼を巡り歩きその光景を綴る。恐山やオシラサマなど独特の信仰に身内や知人の思い出を重ねる。写真36点収録。



なぜ、あのお寺には人が集まるのか? 田中元気著 春陽堂書店 1870円
エンディング業界のコンサルタントが寺院を再生する方法を語る。お寺の活動に協力してくれるファンを増やし樹木葬など新しいお墓造りを提案する。



超図解 空海と密教大事典 正木晃・大角修著 朝日新聞出版 1870円
仏像や曼荼羅で密教の世界を紹介し、絵伝の場面で弘法大師空海の生涯を解説する。地人館編、仏画は長谷法寿。



密教の教科書 渋谷申博著 ナツメ社 1980円
日本の天台宗と真言宗を理解するための基礎知識を豊富なビジュアルで学ぶ。密教の成立と展開、仏の尊格と曼荼羅、儀礼と年中行事、名僧紹介など。



もっと知りたい空海 武内孝善著 東京美術 2530円
密教を伝えた空海という人物の生涯を図版など共に辿り、現代に活かす空海の教えを5つのポイントで紹介する。仏画や直筆の書などを大きめに掲載。



東京藝大で学ぶ仏像の見かた 松田誠一郎著 小学館 2750円
美術学部生向けの仏像講義の筆録。法隆寺・薬師寺・興福寺・平等院など奈良と京都の有名な像を制作した材料や技法などを豊富な図版で解説する。



日本仏教1500年の来た道 宝島社 1650円
日本の伝統仏教を一通り理解できる入門的なムック。13宗派の成り立ちと特徴を知り、仏教芸術に仏教のメッセージを読み解く。空海と密教特集も。





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