3月号画像
A5判・208頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2020年3月号の主な内容 (Vol.548)

[今月号の特集]

自治体が寺院や葬儀抜きで住民の死にかかわり始めたことの何が問題なのか
行政から葬祭扶助を受けて葬儀を行う困窮者や、ご遺体を引き取る遺族がいないため自治体が火葬だけを行うケースが年々増え続けている。こうした葬儀には、政教分離のためか僧侶がかかわりにくい。しかし、故人のなかには信仰に基づく葬儀を望んでいた人もいるはずだ。その権利を蹂躙してもいいのか。


実体のない(!?)巨額負債名目で単立化を迫られた住職がついにお寺を追放された凶悪!?
恐ろしい事件だ。宗派を離脱した揚げ句、僧籍のない責任役員に寺から追放された住職がいる。愛媛県内の元は浄土宗の寺院だが、その元住職は心神喪失で借りていない巨額借用書に署名させられ、それでお寺を取られたと話す。檀家は唖然とするばかり。司法はどう裁くのか。


住職はなぜネットバンキングの不正送金のために自らの口座を売ってしまったのか
残念なことが起きた。ネットバンキング利用者の口座から不正に預金が引き出された事件で、送金先として、三重県にある真宗大谷派寺院の住職名義の口座が使われたのだ。住職は自分名義で開設した銀行口座を犯行グループに売り渡したとして、詐欺容疑で逮捕されてしまった。なぜ、こんなことになってしまったのか。



専従僧侶のいないお寺は今いかに護持されているのか
過疎化や人口減少で今後ますます増えると予測される無住のお寺。悲観的に捉えられがちだが現在、そうしたお寺はどのように守られているのか。取材をすると他宗の檀家が守るなど、地域性あり、工夫ありのなかで支えられていたのだ。僧侶がいなくてもお寺は大丈夫なのか。無住4カ寺の実際を見よう。



検証 「除夜の鐘」が町のお寺から消える日が来るのか
除夜の鐘がうるさいと苦情を受けて、長い歴史でも実施を取りやめるお寺があると聞く。一方で、鐘撞きを昼間に変えて活況を取り戻したお寺も少なくない。これからの除夜の鐘はどうあるべきか。8カ寺の実践と騒音問題の専門家、梵鐘製作会社に取材した。



檀家ゼロで廃寺寸前の古刹を独力で復興に導いた住職の空前
無住の状態が続き荒れていたお寺に一人の青年僧が入り、見事、地元の名所に生まれ変わらせた。滋賀県近江八幡市にある天台宗寺院の住職だ。一体いかにして、お寺のピンチを救ったのか。取材をすると驚くべき営みだった。



お寺の掲示板コンテストに学ぶ
平成30年の第1回に続いて令和元年も行われた、公益財団法人仏教伝道協会主催の「輝け! お寺の掲示板大賞2019」。一般の人はどんな掲示板の伝道句に惹かれるのか、応募作を見れば布教の手がかりが得られるかもしれない。本誌が選んだ全国20カ寺の掲示板を一挙総覧しよう。



火葬場での係員によるお骨揚げの説明になぜ賛否が起きたのか…武田至(一般社団法人火葬研会長)
お骨揚げに伴う住職なら「ここは頭、ここは歯、これは喉仏」といった説明を火葬場の係員からよく聞くのではないか。それが故人の、いや遺族のプライバシー侵害だとする新聞投書があった。なぜなのか。住職にもかかわることだ。



集中連載 人生100年時代の宗教指導者の長い老後問題(3)…川又俊則(鈴鹿大学副学長/宗教社会学者)
「住職の超高齢化が進む中でも生涯現役なら老後など考える必要は本当にないのか」

住職は終身なのだから老後を問題にすることはないと以前ならよく聞いた。だが今、平均寿命が延び住職も寺族も超高齢者となり世代交代する寺院が増えている。それだけに仏教界も老後の尊厳ある在り方を真剣に考えねばならない。



集中連載 格差が拡大する超高齢社会で問われる寺院の社会的責任とは何か!?(2)…小川有閑(大正大学地域構想研究所・BSR推進センター主幹研究員)
「月参りはこれからも是非とも持続すべき営みなのが分かる」

月命日などに菩提寺の住職や僧侶が檀信徒の家を訪ねる「月参り」の現状を見ることにしたい。おそらく、月参りをしている寺院は住職のすべき当然のこととして励んでおられるだろうし、されていない寺院には大変な檀務だとの思いがあるにちがいない。しかし今、この営みに新たな光が差しているのだ。



新連載 今につづく近世の寺院経営史実(3)…田中洋平(淑徳大学人文学部准教授)
「江戸幕府が全国に寺檀制度を創設する必要があった本当の訳」

ご存じの通り、今日の寺檀関係の始まりは江戸時代にある。それは幕府によるキリシタン政策のためである。したがって私的な関係ではなかった。その実態を証文などから見ることにしよう。当時の寺院の役割が事実として分かる。



新連載 認知症高齢者と共に歩む僧侶如実記〔5〕…日髙明(社会福祉士/浄土真宗本願寺派僧侶)
「歌ったり合誦することで認知症でも生きる喜びが取り戻せる」



葬送の習俗が揺らいでいる深層にあるもの〔11〕…山田慎也(国立歴史民俗博物館教授)
「葬儀の祭壇に生花が増えていったのはなぜか」

人々は死者をどのように葬るのか、その葬儀祭壇の変わりようからも意識の変化が分かる。たとえば、かつては宮殿を戴く白木の祭壇がほとんどだったのが、いつのまにか祭壇は生花になりつつある。それはなぜなのか。



連載 日本人はいかに弔われてきたのか〔19〕
「地蔵堂が他界浄土ではなくこの世を濃厚に感じさせたのはなぜか」…佐藤弘夫(東北大学大学院教授)

お寺に納められた供養絵額やムカサリ絵馬には故人を供養する情景であるにもかかわらず、仏の姿が見えない。江戸期に描かれた曼荼羅にいたっては、彼岸ではなく現世の理想を描いたものだという。人々の浄土はどこへいってしまったのか。



全国各地のお寺に「世界人類が平和でありますように」というポールが建つ理由 …吉田尚文(宗教社会学者)
「世界人類が平和でありますように」と書かれた角柱をよく見る。ピースポールだという。一体誰がどんな目的で作ったのか。弊社の新刊『五井昌久の思想と生涯』の著者である吉田尚文氏に解説をしてもらおう。
 いま、売れてます 
 富士山山頂や原爆ドーム、バチカン、エジプトのピラミッド前、全国の市役所、公園、学校、観光名所、街角、神社教会、それに各宗の寺院にも建っている「世界人類が平和でありますように」とは何か。世界194カ所に20万あまりのポールを建立した五井昌久の宗教と人生を学術的に初めて解明した第一級研究書。 <詳細を見る>



好評連載 日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)〔53〕
「お寺はいつの時代でも風通しのよい場所であってほしい」…玄侑宗久(臨済宗妙心寺派住職/作家)




連載[寺院・住職に直言・提言する]
杉本彩 (女優/公益財団法人動物環境・福祉協会Eva理事長) … 「『死』について思うこと」
ドリアン助川 (作家/歌手) … 「なにも持たざる者」


 絶賛大人気! 
本誌好評連載中の「寺院・住職に直言・提言する」より25話を厳選、収録した単行本『各界第一人者25人による今こそお寺に言いたいこと』(興山舎『月刊住職』編、本体価格2,300円)がたちまち大好評です。元首相、作家、俳優、ジャーナリストなど各界の著名人25人による寺院住職への忌憚なき意見・提言・随想は住職のみならず在家の人にもぜひ読んでほしい! <詳細を見る>



誌上セミナー やればできる! 寺院活性化のためのケーススタディ〔36〕
「新たな未知へ踏み出すことで神社も寺院も変わる具体的提案」…堀内克彦(宿坊研究会代表)

寺院のみならず神社も社会の変動に危機感をもっているが、なかなか意識と活動が伴っていない。そこを乗り越えるためにも提案する「神社と人をつなぐ7つの要素」とは何か。お寺にも役立つかもしれない。



連載ドキュメント 新米住職のワーキングプア記〔32〕
「再び布施行としてSNSを始めたけれどネットは実に恐ろしい」…水月昭道(浄土真宗本願寺派住職)




初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔107〕
「『これが最上の吉祥だ』となぜ釈尊は繰り返し説かれたのか」…鈴木隆泰(山口県立大学教授・寺院住職)

 大増刷! 
 日本印度学仏教学会賞受賞者・鈴木隆泰教授の本誌連載の単行本『ここにしかない原典最新研究による本当の仏教』 第1巻―お釈迦さまはなぜ出家し、いかに覚ったか(本体価格2,400円)を大増刷しました。第1巻は、王子シッダールタ誕生から釈尊の覚りへの道、さらにサンガの発展までを詳述。大増刷ロングセラーです。また既刊の第2巻第3巻(ともに本体価格2,400円)も大好評。第2巻は釈尊の説法で重要な女性の出家や死後世界、そしてアングリマーラの殺人、提婆達多の釈尊殺害計画の全貌が分かる内容。第3巻は提婆達多の破僧説話の結末、コーサラ国の波斯匿王への釈尊の教誡を通して、布施の果報、四摂事の真実、ヴェーダの宗教と仏教の違い、六師外道の沙門の教えなど重要教説ばかり。



障害者を快く迎えるお寺にしよう〔48〕
「企業で働く障害者は本当に本人の能力が発揮できているのか」…野沢和弘(毎日新聞社論説委員)

社員として採用された知的障害の長男の行動障害がますますエスカレートしていくのを目の当たりにして、就労がゴールだとばかり思っていたが、全くそうではない現実に直面した。



[ショートルポ]
●滋賀県の天台宗寺院の尊像が住民投票で県の所蔵にされてしまった訳
●法要をデジタル化して功徳倍増ってホント!?――島根県浄土真宗本願寺派僧侶による「サイバー南無南無」の大人気
●クラウドファンディングで映画になる京都・本門法華宗寺院に生まれた「ミョウレンジャー」の正体




[法律・税金相談]
法律相談… 伯母治之(弁護士)・橋口玲(弁護士)
質問1 お寺が主催する参拝旅行で参加者が骨折したがお寺に責任はあるか
質問2 檀家多数が反対なのに宗派離脱を強行する住職に解任要求できるか

税金相談… 河村照円(税理士・行政書士・寺院住職)
質問1 ペット墓地の供養料や動物納骨堂の使用料やそれらの不動産に課税されますか
質問2 境内に季節の花を植えて任意の浄財箱を設置したが収入は課税されるのか






 [好評連載]

 誌上講座・今からこれから未来の仏教ラボ〔15〕…松本紹圭(『未来の住職塾』塾長)
 「お寺を誰もが集うコミュニティの場所にしよう」対論…井上広法(栃木県・浄土宗光琳寺副住職、コワーキングスペース運営)
 松本紹圭のテンプルゼミ(1)「お寺を経済的合理性から見ていいのか」



 認知症高齢者と共に歩む僧侶如実記〔6〕
 
「ケアには専門家だけでなく通りすがりの人も助けになる事実」
  日髙明
(社会福祉士/浄土真宗本願寺派僧侶)




 現代日本の宗教最前線の状況と問題〔81〕
 
「誰にもサポートが必要な時代になった」
  櫻井義秀
(北海道大学教授・宗教社会学者)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔200〕
 「保育マネジメント研修を受けて分かったお寺のこと」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 色即是空の科学事始め〔166〕
 
 「かかり始めた自然の環境圧――100年に1回のことが毎年起きるようになった」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)

 既刊好評 
 本誌連載を単行本とした『人間だけでは生きられない―科学者として東京オリンピックに反対します』(本体価格2,300円)が各界より大注目です。「年をとると一日が速く過ぎるわけ」「放射線被曝限度量は誰が決めるのか」など、日本を代表する宇宙物理学者による最新科学情報の厳選70話を収録。 <詳細を見る>



 今こそ宗教と法律の問題新講座〔65〕
 「寺院にも無縁ではないカジノ認可の『IR関連法』問題」
  櫻井圀郎
(宗教法および宗教経営研究所長教授)


 臨終医しか知らない大事な話〔15〕
 「政府主導でジェネリック元年がいよいよやってくる」
  志賀貢
(内科医/医学博士)


 今からの宗教酔眼千里眼〔76〕
 
「日本人と現代仏教の位相(76)――近代日本仏教者の社会福祉活動(14)」
  島薗進
(上智大学教授・日本臨床宗教師会会長)


 70億人の宗教トレンド〔117〕
 「多数派仏教徒ビルマ族と少数派イスラムのロヒンギャとアウンサンスーチー」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 コラム 盆踊り全国漫遊記〔54〕
 「1300年前の外来音楽に注目」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)



[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 新刊刊行 
 本欄掲載を元にした、井上ウィマラ(日本仏教心理学会会長)著『子育てから看取りまでの臨床スピリチュアルケア』(本体価格2200円)がたちまち大好評です! 家族の問題や肉親の死に心をいためる人々をケアする人にこそ救いが必要な現代、臨床仏教スピリチュアルケアの第一人者による事実に即したケアの方法と効果を記す厳選50話。僧侶やカウンセラー、看護介護者、ケアワーカー、セラピストなどの専門職にこそ必読の実践書。
 
<詳細を見る>



 露の団姫のお笑い仏教寄席〔58〕
 「『宗教は依存だと思いますが?』と大学生に問われて答えた話」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)
 新刊刊行 
 本欄掲載のとっておきの35話を書籍にした『みんなを幸せにする話し方――露の団姫の仏っちゃけお笑い問答』(本体価格1700円)が、大好評です! 人を和やかにする法話のヒントが満載。どこから読んでも話のネタになる。仏教落語家ならではの話し方で檀信徒へのお説教も面白く伝えられます。笑いこそ法話に不可欠だと誰もがナットクの一冊。
 
<詳細を見る>



 お説教のタネ本「墨場必携から春を言祝ぐ名言名句を伝道文に」


 在俗の説法者〔212〕 「おばあちゃんは悪くない」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)

 既刊好評 
 この連載を元にした単行本、篠原鋭一著『この世でもっとも大切な話』(本体価格1,800円)が、各方面から大絶賛です。「少年院からの手紙」「風でもいいから会いたい」「原発に引き裂かれたもの」など感動あふれる説法の話材となる30の実話を収録した最高最善のお説教読本です。また、MBSラジオで連続ラジオドラマにもなった、感涙のロングセラー『みんなに読んでほしい本当の話』第1集第2集第3集(本体価格各1,429円)、第4集(本体価格2,000円)も檀信徒や友人へのプレゼントに大好評です。



 生きるとは何か〔116〕 「私の戦争体験から」
  亀井鑛
(NHK Eテレ「こころの時代」元司会者)

 既刊好評 
 この連載および旧連載「伝承説話の智慧」を元にした落語と仏教説話満載の単行本、亀井鑛著『だれでもできる大往生』(本体価格1,900円)、面白くてためになる落語名作をまとめた『落語で大往生』(本体価格1,700円)がいずれも大好評。住職の法話の教本として、また人生に悩む檀信徒への施本に最適です。



 住職のための今月のことば
 
「雑司ヶ谷霊園の散歩道」
  稲垣真澄
(産経新聞元編集委員・ジャーナリスト・僧侶)

 既刊好評 
 この連載を元にした稲垣真澄著『いつでも法話ができる現代布教キーワード必ず説きたい176話』(本体価格2,900円)が大好評。「TPP」「ゼロ葬・直葬・墓じまい」「ドローン」など現代を読み解くキーワード176を14のジャンルに分け、キーワードごとに見開き2頁で編集。毎日起きる出来事や変化を素早く法話に織り込むための実例集として最良最適。
 
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 すぐ使える法話セミナー〔35〕 「星の話を説法に」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)

 既刊好評 
 なぜ人の死に仏教がかかわり、僧侶がその導師となれるのか。村越英裕著『すぐに活用できる 全宗派対応 葬儀実践全書』(本体価格4,300円)では、その答えとなる各宗の葬儀次第、戒名法名法号、歎徳文・諷誦文・引導・表白の法語、導師の説法などの全要諦をそのまま使えるように編集。僧侶必読の書。 <詳細を見る>



 法語伝道聖句三昧〔255〕 「天才の峰が高ければ高いほど谷底も深い」
  田中治郎
(文筆家)


 いまどきマンガ説法〔92〕 「配僧アプリ」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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