4月号画像
A5判・202頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2020年4月号の主な内容 (Vol.549)

[今月号の特集]

パンデミックにいかに対応すべきか!? 試される寺院の力
全世界で爆発的な感染拡大を見せる新型コロナウイルスは全く終息の兆しが見えない。日常行動から経済活動まであらゆる面で弊害が出るなか不特定多数を受け入れるお寺は一体どう対応すべきか? 今まさに問われる葬儀・仏事・法要・月参り・各種行事などの実際を取材した。


新型コロナウイルス感染者と遺族への火葬場の対応法…武田至(一般社団法人火葬研会長)
葬儀を司る関係者にとって異常事態を来すコロナウイルス禍であるが、それ以上に、きわめて慎重な対応が求められているのが火葬場だ。厚生労働省をはじめ火葬場を運営する行政はどんな対策を講じているのか、知る必要がある。


宗派名を偽って葬儀を行った僧侶が遺族から訴えられた事件の真相
「やりなおしのできない葬儀で葬儀社と僧侶に宗派を騙されてしまった」と遺族が裁判に立ち上がった。葬儀社に僧侶を依頼する遺族も少なくないだけに寺院も留意する必要がある。しかもこうした宗派を偽装した葬儀の事件は少なくないのだ。葬儀社が行った派遣僧侶に騙された遺族の損害賠償訴訟3件を取材した。



伽藍の荒廃を顧みなかった兼務住職が総代と業者に突き付けられた険悪
全国の寺院の少なくとも2割が兼務住職だが、その将来が問われる事件だ。関東地方の曹洞宗寺院は長らく無住が続き、兼務住職も行事以外はほとんどお寺に来なかったところ、兼務住職より日常の運営を任された総代らに霊園業者や士業者らが近づき、住職解任要求にまで及んだ最悪の事態は一体どうなるのか。



庭園を一般開放するお寺が留意すべき法的責任判決
もし、お寺が公開している庭で参詣者が転んでけがをし、それでお寺に対して賠償金の裁判を起こされたどうなるだろうか。寺院で起きた事件ではないが、このケースで学ぶべき画期的判決があった。裁判に学ぼう。



困窮者や身寄りのない人の「葬儀をする権利」を寺院はどうやって支えればいいのか
生活保護受給者や引き受ける遺族のいない人が供養もされないまま埋葬される現実に、「お寺こそが座視せず積極的に支援すべきだ」と手を挙げる寺院は少なくない。行政や福祉と連携しつつ檀信徒も動かし、さらには生活保護受給者同士が支え合う仕組みまで生まれている。困窮者に献身的に寄り添う4カ寺の実践を見よう。



北朝鮮から流れ着いた死者を供養する住職の道心
北朝鮮の船が海岸に打ち上げられたり、遺体が発見されたというニュースはよく耳にする。だが、その遺体がどう弔われているかはあまり報じられない。供養を続ける住職たちにその実際を取材した。



寺院も住職も必須のハラスメント回避法
モラハラやマタハラ、アカハラなど、次々に新しいハラスメントが問題にされている。隠れていた嫌がらせに気付きやすくなった分、言葉や態度に一層注意が必要な時代となった。お寺や住職が特に気をつけたいハラスメントとは何か。法的な見解も見よう。



「死刑賛成」が国民の8割を占めるなかで仏教界はその賛否をいかに表明しているのか
「全日本仏教会が死刑制度に反対を表明し記者会見する」という新聞報道を見て、住職の多くは目を見張ったことだろう。が、しかし、それが全くの誤報だと知って、また驚いた。一方で、にわかに仏教界の死刑に対する態度に社会も注目することとなった。



トレイルランニングで過疎地の寺院を輝かせる住職の体当たり布教
山梨県身延町の日蓮宗総本山久遠寺にある七面山への参詣者は往時の3分の1にまで落ち込んでいる。しかし同町の日蓮宗寺院住職は参道でトレイルラン大会「身延山・七面山修行走」を成功させたのみならず、自らも半年に一度100マイル(160キロ)走を敢行し、布教に邁進している。なぜ住職は走るのか。その実践を取材した。
 新刊刊行 
 本誌に毎号掲載している「住職ルポ」を単行本とした『みんなに知ってほしい――日本のものすごい10人の住職』(本体価格2,000円)を4月中旬に発刊いたします。貧窮者のために1日も欠かさず炊き出しを行う山寺の住職や、参拝ポイントカードや檀家出資の太陽光発電を成功させた住職、檀家ゼロから1000軒余の駆け込み寺に発展させた住職など、各地で奮闘する10人の住職の迫真のルポルタージュです。 <詳細を見る>



集中連載 人生100年時代の宗教指導者の長い老後問題(4)…川又俊則(鈴鹿大学副学長/宗教社会学者)
「進む高齢社会の中で寺院を持続絶対的存在とするためには何が必要なのか」

多くのお寺の住職が平均寿命、さらにそれ以上の人生を得る時代になった。当然、従来なら考えも及ばなかった事態も少なくない。住職の老後問題もその一つだ。とりわけ、寺院を未来に持続させるための方法を考えなければならない。



連載 今につづく近世の寺院経営史実(4)…田中洋平(淑徳大学人文学部准教授)
「宗門人別改帳の記載で分かる葬祭寺院と祈祷寺院の在り方」

中世の寺院と檀越の関係を江戸幕府は新たに寺請としてキリシタン対策に利用した事実を前号で見たが、その手がかりとした「宗門人別改帳」から分かるのは禁教対策だけではないという。当時の多くの寺院の在り方も明らかになる。



葬送の習俗が揺らいでいる深層にあるもの〔12〕…山田慎也(国立歴史民俗博物館教授)
「葬儀でなぜ会葬者に食事や酒が接待されるのか」

通夜振る舞いとか精進落としとか忌中払いとか、様々な表現があるが、葬儀に食事が振る舞われるのが当然とされるようになったのはなぜか。しかもそうした習俗の中身も時代とともにかなりな変化が見られるのはなぜか。



連載 日本人はいかに弔われてきたのか〔20〕
「神仏や死者を締め出した社会を激しく揺さぶった震災地に立ちて……」…佐藤弘夫(東北大学大学院教授)

あの世に仏の救いを得た中世を経て、あの世から仏をなくした近代の日本列島にも繰り返し襲いかかる自然災害は、わたしたちに何を問うているのか。たとえば、人間中心主義のヒューマニズムにも大きな転換を迫っているのではないか。



好評連載 日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)〔54〕
「目に見えぬウイルスこそ人間の信頼関係を破壊する武器ではないか」…玄侑宗久(臨済宗妙心寺派住職/作家)




連載[寺院・住職に直言・提言する]
高橋三千綱 (作家) … 「記憶に残る住職」
平田俊子 (詩人) … 「住職の力」


 絶賛大人気! 
本誌好評連載中の「寺院・住職に直言・提言する」より25話を厳選、収録した単行本『各界第一人者25人による今こそお寺に言いたいこと』(興山舎『月刊住職』編、本体価格2,300円)がたちまち大好評です。元首相、作家、俳優、ジャーナリストなど各界の著名人25人による寺院住職への忌憚なき意見・提言・随想は住職のみならず在家の人にもぜひ読んでほしい! <詳細を見る>



 いま、売れてます 
 富士山山頂や原爆ドーム、バチカン、エジプトのピラミッド前、全国の市役所、公園、学校、観光名所、街角、神社教会、それに各宗の寺院にも建っている「世界人類が平和でありますように」とは何か。世界194カ所に20万あまりのポールを建立した五井昌久の宗教と人生を学術的に初めて解明した第一級研究書。 <詳細を見る>



誌上セミナー やればできる! 寺院活性化のためのケーススタディ〔37〕
「お寺も住職も法律改正によって禁煙を推進しないと取り残される」…堀内克彦(宿坊研究会代表)

4月1日から改正健康増進法の全面施行で受動喫煙防止が義務化される。なぜそのようにタバコが問題視されるのか、寺院も住職も真剣に受け止めないと仏教のためにならない。



連載ドキュメント 新米住職のワーキングプア記〔33〕
「普段からお寺参りが身についていればコロナにも動じないはず」…水月昭道(浄土真宗本願寺派住職)




初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔108〕
「釈尊が在家にも出家にも説いた人を幸せにする吉祥とは何か」…鈴木隆泰(山口県立大学教授・寺院住職)

 大増刷! 
 日本印度学仏教学会賞受賞者・鈴木隆泰教授の本誌連載の単行本『ここにしかない原典最新研究による本当の仏教』 第1巻―お釈迦さまはなぜ出家し、いかに覚ったか(本体価格2,400円)を大増刷しました。第1巻は、王子シッダールタ誕生から釈尊の覚りへの道、さらにサンガの発展までを詳述。大増刷ロングセラーです。また既刊の第2巻第3巻(ともに本体価格2,400円)も大好評。第2巻は釈尊の説法で重要な女性の出家や死後世界、そしてアングリマーラの殺人、提婆達多の釈尊殺害計画の全貌が分かる内容。第3巻は提婆達多の破僧説話の結末、コーサラ国の波斯匿王への釈尊の教誡を通して、布施の果報、四摂事の真実、ヴェーダの宗教と仏教の違い、六師外道の沙門の教えなど重要教説ばかり。



現代日本の宗教最前線の状況と問題〔82〕
「人生100年を生きるのに必要なこころの師」…櫻井義秀(北海道大学教授・宗教社会学者)




[ショートルポ]
●住職と副住職の僧籍剥奪処分でも問題が解決しないわけ――愛知県臨済宗妙心寺派寺院住職の巨額私的流用と脱税事件の真相
●島根県の浄土真宗本願寺派寺院副住職がユーチューバ―になって寺檀活性化!




[法律・税金相談]
法律相談… 伯母治之(弁護士)・本間久雄(弁護士)
質問1 柴燈護摩法要の火渡りで参加者が火傷をしたらお寺の責任になるか
質問2 墓に水が滲み込むようになったのでお寺が全て補修すべきだと言われた

税金相談… 河村照円(税理士・行政書士・寺院住職)
質問1 銀行の振込手数料が大幅に上がったけどネットバンキングに移行するのは危険ですか
質問2 令和2年度の税制改正でお寺や住職や寺族や寺務員の税金はどのように変わりますか






 [好評連載]

 誌上講座・今からこれから未来の仏教ラボ〔16〕…松本紹圭(『未来の住職塾』塾長)
 「僧と俗の間に身を置いて見えたギャップ」 対論…海野峻宏(群馬県・黄檗宗宝林寺新堂)
 松本紹圭のテンプルゼミ(2)「まったく新しい『僧侶派遣』を始めます」


 本当の創価学会問題〔99〕
 
「創価学会の元名誉会長が提言する気候変動対応や核廃絶は単なる言葉だけなのか」
  段勲
(ジャーナリスト)


 認知症高齢者と共に歩む僧侶如実記〔7〕
 
「寺院も僧侶も檀信徒も一体となって地域のサポーターになる」
  日髙明
(社会福祉士/浄土真宗本願寺派僧侶)




 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔201〕
 「涅槃図を飾るのは2月だけなんていけないことか」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 色即是空の科学事始め〔167〕
 
 「AIにどこまで頼るのか!?――まさに宗教の大きな課題となるのではないか」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)

 既刊好評 
 本誌連載を単行本とした『人間だけでは生きられない―科学者として東京オリンピックに反対します』(本体価格2,300円)が各界より大注目です。「年をとると一日が速く過ぎるわけ」「放射線被曝限度量は誰が決めるのか」など、日本を代表する宇宙物理学者による最新科学情報の厳選70話を収録。 <詳細を見る>



 今こそ宗教と法律の問題新講座〔66〕
 「寺院もなすべき法的なコロナウイルス等感染症対策」
  櫻井圀郎
(宗教法および宗教経営研究所長教授)


 臨終医しか知らない大事な話〔16〕
 「しばしば夫婦が道連れの臨終を迎えるのはなぜか」
  志賀貢
(内科医/医学博士)


 今からの宗教酔眼千里眼〔77〕
 
「日本人と現代仏教の位相(77)――近代日本仏教者の社会福祉活動(15)」
  島薗進
(上智大学教授・日本臨床宗教師会会長)


 70億人の宗教トレンド〔118〕
 「イスラムを差別するヒンドゥー至上主義政権と市民運動の激突」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 古今東西名著万巻のススメ〔86〕
 「子思作『中庸』を読む」
  芹川博通
(比較思想学会前会長・日本宗教学会評議員)


 コラム 盆踊り全国漫遊記〔55〕
 「今こそ持続力ある盆踊り作りを」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)



[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 新刊刊行 
 本欄掲載を元にした、井上ウィマラ(日本仏教心理学会会長)著『子育てから看取りまでの臨床スピリチュアルケア』(本体価格2200円)がたちまち大好評です! 家族の問題や肉親の死に心をいためる人々をケアする人にこそ救いが必要な現代、臨床仏教スピリチュアルケアの第一人者による事実に即したケアの方法と効果を記す厳選50話。僧侶やカウンセラー、看護介護者、ケアワーカー、セラピストなどの専門職にこそ必読の実践書。
 
<詳細を見る>



 露の団姫のお笑い仏教寄席〔59〕
 「験担ぎが当たり前の寄席芸人が先輩僧に学んだ霊験って!?」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)
 新刊刊行 
 本欄掲載のとっておきの35話を書籍にした『みんなを幸せにする話し方――露の団姫の仏っちゃけお笑い問答』(本体価格1700円)が、大好評です! 人を和やかにする法話のヒントが満載。どこから読んでも話のネタになる。仏教落語家ならではの話し方で檀信徒へのお説教も面白く伝えられます。笑いこそ法話に不可欠だと誰もがナットクの一冊。
 
<詳細を見る>



 お説教のタネ本「高血圧川柳はじめて知りて戦友にエールを!」


 在俗の説法者〔213〕 「受刑者の『春の淡雪』」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)

 既刊好評 
 この連載を元にした単行本、篠原鋭一著『この世でもっとも大切な話』(本体価格1,800円)が、各方面から大絶賛です。「少年院からの手紙」「風でもいいから会いたい」「原発に引き裂かれたもの」など感動あふれる説法の話材となる30の実話を収録した最高最善のお説教読本です。また、MBSラジオで連続ラジオドラマにもなった、感涙のロングセラー『みんなに読んでほしい本当の話』第1集第2集第3集(本体価格各1,429円)、第4集(本体価格2,000円)も檀信徒や友人へのプレゼントに大好評です。



 生きるとは何か〔117〕 「『蟹の恩返し』の読み方」
  亀井鑛
(NHK Eテレ「こころの時代」元司会者)

 既刊好評 
 この連載および旧連載「伝承説話の智慧」を元にした落語と仏教説話満載の単行本、亀井鑛著『だれでもできる大往生』(本体価格1,900円)、面白くてためになる落語名作をまとめた『落語で大往生』(本体価格1,700円)がいずれも大好評。住職の法話の教本として、また人生に悩む檀信徒への施本に最適です。



 住職のための今月のことば
 
「雑司ヶ谷霊園の散歩道(2)」
  稲垣真澄
(産経新聞元編集委員・ジャーナリスト・僧侶)

 既刊好評 
 この連載を元にした稲垣真澄著『いつでも法話ができる現代布教キーワード必ず説きたい176話』(本体価格2,900円)が大好評。「TPP」「ゼロ葬・直葬・墓じまい」「ドローン」など現代を読み解くキーワード176を14のジャンルに分け、キーワードごとに見開き2頁で編集。毎日起きる出来事や変化を素早く法話に織り込むための実例集として最良最適。
 
<詳細を見る>



 すぐ使える法話セミナー〔36〕 「樹木の話を説法に」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)

 既刊好評 
 なぜ人の死に仏教がかかわり、僧侶がその導師となれるのか。村越英裕著『すぐに活用できる 全宗派対応 葬儀実践全書』(本体価格4,300円)では、その答えとなる各宗の葬儀次第、戒名法名法号、歎徳文・諷誦文・引導・表白の法語、導師の説法などの全要諦をそのまま使えるように編集。僧侶必読の書。 <詳細を見る>



 法語伝道聖句三昧〔256〕 「『自己犠牲的精神』をもち、『自己犠牲的行動』をする者は最高の幸福なる者だ。かれが社会をよくする者であることはもちろんである。(熊崎武良温)」
  渡邉照敬
(真言宗智山派住職)


 いまどきマンガ説法〔93〕 「複合施設」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






Copyright (C) 2006-2020 kohzansha. All Rights Reserved.