7月号画像
A5判・208頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2020年7月号の主な内容 (Vol.552)

[今月号の特集]

浄土宗教区共済会を名乗り住職が僧俗多数に多額を出資させた詐欺事件
関西の浄土宗住職が宗派名を騙り、檀家や同宗住職に偽の共済貯金を募って返さぬまま自死したという。被害額は数千万円にも上るともいわれ、檀信徒や関係者の衝撃は計り知れない。だが宗門はなぜか沈黙を保ち続けているという。なぜなのか。


なぜ寺院は税金を滞納し境内地も本堂も墓地も公売に付されたのか
愛知県にある真宗大谷派寺院は国税局に源泉漏れを指摘され、重加算税等を含め480万円を滞納した。だが、住職は税金を納めず、境内地や本堂などお寺のすべては差押され、公売に付されてしまった。なぜこんなことになったのか。


SDGsに寺院住職はどのようにかかわるべきなのか
2030年までに達成すべき17の具体的な目標と169項目の達成基準を定めたSDGs(持続可能な開発目標)が注目を集めている。国連で採択されたものだが、言葉だけが先行してるように見える。しかし実は、仏教と親和性が高い内容であり、寺院でも啓蒙や実践に取り組む住職・僧侶がいるのだ。



ますます重要度が高まる在宅看取りに寺院はいかに対応すべきなのか
在宅看取りの増加が見込まれるなか、寺院にも医療や介護と手を結んで地域包括ケアシステムにかかわっていくことが求められている。とはいえ、僧侶が臨床現場や行政と連携するには壁もある。すでに実践を始めている寺院では、どんな取り組み方で在宅での最後に寄り添っているのか取材した。



お寺がクラウドファンディングで失敗しない方法
お寺がクラウドファンディングを利用するケースが徐々に増えている。だが、数ある企画の中で埋もれてしまうものが多いのも実情だ。どうすれば成功するのか、あるいは失敗しないのか。実践した6カ寺の成否と運営会社、マーケティングの専門家に取材した。



バブル崩壊で得度した青年がインドに寺子屋まで建てた精魂
「金持ちになるのが幸せだ」と働いた青年がバブル崩壊で衝撃を受けた。そこで救われたのが仏教。29歳で得度し、その数年後に新寺建立。懸命な布教で今や信者3000人を上回り、インドに寺子屋を建てるまでになった。大阪府の真言宗御室派住職の熱き仏道をルポ。
 新刊刊行 
 本誌に毎号掲載している「住職ルポ」を単行本とした『みんなに知ってほしい――日本のものすごい10人の住職』(本体価格2,000円)を刊行しました! 貧窮者のために1日も欠かさず炊き出しを行う山寺の住職や、参拝ポイントカードや檀家出資の太陽光発電を成功させた住職、檀家ゼロから1000軒余の駆け込み寺に発展させた住職など、各地で奮闘する10人の住職の迫真のルポルタージュです。 <詳細を見る>



これから日本の原発をどう考えるか
コロナ禍や検察庁法など問題山積の中、平成30年に野党が提出した原発ゼロ法案は今回の通常国会でも1度も審議されないまま6月17日に閉会した。忘れてはならない原発に対して仏教界の姿勢はどうか。臨済宗妙心寺派の一人の住職が問うた1冊『アトムの誘惑』からその様相を見よう。



第15回本誌「住職関心事アンケート」結果(3)
前号に続き、第15回「住職関心事アンケート」の結果を報告しよう。今回は「葬儀や法事の『お布施』は銀行振り込みやカードで納めたいと言われたら、どう対応しますか? 理由は?」「2019年に知った掲示伝道によいと思った『言葉』は?」の2問だ。それぞれの寺院から多彩な声が寄せられた。



死因の究明を推進する法律の施行で何が変わるか
コロナ蔓延の最中、この4月に人の死因にかかわる法律が施行されたのをご存じだろうか。調査によれば日本の不審遺体解剖率は先進国でも最低。仏教界も無関心ではいられない。



疫病の時代におけるこれからの寺院建築…五十嵐太郎(東北大学大学院教授/建築史家)
3密は避けよという要請に多くの寺院は困っているのではないか。なぜなら寺院は大勢の人々が集う場だからだ。そのためにこそ寺院はもともと風通しがよく開放的な建築であった。そこに寺院建築の今後の可能性が見えてこよう。



新連載 薬剤師住職の新型コロナウイルスへの向き合い方(2)…太瑞知見(曹洞宗玉峰寺住職・薬剤師)
「2500年前に釈尊が説いた僧侶の日常衛生法は現代も役に立つ」

手洗いの仕方も、口のエチケットも、掃除の仕方や看護の心得も、すでに釈尊はこと細かに指導されていたことが律蔵などで分かる。今日の新型コロナウイルスに対しても極めて有効な衛生法だ。多くの人々に伝えたい。



集中連載 人生100年時代の宗教指導者の長い老後問題(7)…川又俊則(鈴鹿大学副学長/宗教社会学者)
「半世紀にわたる人間関係や家族にかかわる意識の変化を宗教者はどう読むか」

住職など宗教指導者が今どんな人生を生きるかが宗教そのものの問題として問われている。全てが効率化で左右されそうな社会の様相が意識調査でも明らかだが、その意識変化の要因に宗教者も影響しているとみるべきかもしれない。



今につづく近世の寺院経営史実(6)…田中洋平(淑徳大学人文学部准教授)
「日蓮宗不受不施派への弾圧で分かる幕府の寺請政策の目的と波紋」

江戸幕府の宗教政策の中で仏教寺院、そして檀家も急増した史実を見ているが、厳しく弾圧された仏教寺院もあった。その一つが日蓮宗不受不施派である。それはなぜ、どのようにして弾圧され、そして寺院はいかに生き残りをかけたのか。



葬送の習俗が揺らいでいる深層にあるもの〔15〕…山田慎也(国立歴史民俗博物館教授)
特別編 感染死の民俗的対応(2)「葬儀式前に荼毘に付す行いとその後の追悼会を考える」

コロナ禍で、故人との懇ろな別れも葬儀もできず、たちまち火葬されてしまうことに遺族や親族の深い嘆きが寄せられている。感染死だけでは済まない傾向でもあるようだ。かかる事態に日本の葬送民俗は無力なのだろうか。



好評連載 日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)〔57〕
「政権内部にも市民社会にも拡散した『同調圧力』の正体を考えよう」…玄侑宗久(臨済宗妙心寺派住職/作家)




連載[寺院・住職に直言・提言する]
三浦瑠麗 (国際政治学者) … 「今、住職にお願いしたいこと」
中森明夫 (コラムニスト) … 「母の思い出と住職の力」


 絶賛大人気! 
 本誌好評連載中の「寺院・住職に直言・提言する」より25話を厳選、収録した単行本『各界第一人者25人による今こそお寺に言いたいこと』(興山舎『月刊住職』編、本体価格2,300円)がたちまち大好評です。元首相、作家、俳優、ジャーナリストなど各界の著名人25人による寺院住職への忌憚なき意見・提言・随想は住職のみならず在家の人にもぜひ読んでほしい! <詳細を見る>



 いま、売れてます 
 富士山山頂や原爆ドーム、バチカン、エジプトのピラミッド前、全国の市役所、公園、学校、観光名所、街角、神社教会、それに各宗の寺院にも建っている「世界人類が平和でありますように」とは何か。世界194カ所に20万あまりのポールを建立した五井昌久の宗教と人生を学術的に初めて解明した第一級研究書。 <詳細を見る>



新連載 四苦八苦に応える臨床仏教ケアスタディ〔1〕…谷山洋三(東北大学大学院准教授、真宗大谷派僧侶)
「こころの相談にきた人にいかに向き合えばよいかその基本的な心得」

コロナショックから全国各所で相談件数が急増している。悩みなどを打ち明けるためお寺を訪ねる人も増えているのではないか。その時、僧侶はどのように向き合えばよいか。様々なケースに臨むための基本姿勢から連載を始めよう。



誌上セミナー やればできる! 寺院活性化のためのケーススタディ〔40〕
「コロナ禍によって急激に高まるお坊さんへの人生相談ニーズ」…堀内克彦(宿坊研究会代表)

緊急事態宣言の解除でも自粛圧力はやまないし、経済も日増しに逼迫状況が露になっている。今、にわかに心を病む人が増えているのがネット上の人生相談でも明らかだという。まさに仏教の、僧侶の言葉による救いが期待されている。



連載ドキュメント 新米住職のワーキングプア記〔36〕
「コロナで誰も来なくなった本堂は無用の長物かと思いきや……」…水月昭道(浄土真宗本願寺派住職)




初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔111〕
「仏教徒阿闍世王の隣国を攻めたいという問いへの釈尊の教誡」…鈴木隆泰(山口県立大学教授・寺院住職)

 大増刷! 
 日本印度学仏教学会賞受賞者・鈴木隆泰教授の本誌連載の単行本『ここにしかない原典最新研究による本当の仏教』 第1巻―お釈迦さまはなぜ出家し、いかに覚ったか(本体価格2,400円)を大増刷しました。第1巻は、王子シッダールタ誕生から釈尊の覚りへの道、さらにサンガの発展までを詳述。大増刷ロングセラーです。また既刊の第2巻第3巻(ともに本体価格2,400円)も大好評。第2巻は釈尊の説法で重要な女性の出家や死後世界、そしてアングリマーラの殺人、提婆達多の釈尊殺害計画の全貌が分かる内容。第3巻は提婆達多の破僧説話の結末、コーサラ国の波斯匿王への釈尊の教誡を通して、布施の果報、四摂事の真実、ヴェーダの宗教と仏教の違い、六師外道の沙門の教えなど重要教説ばかり。



現代日本の宗教最前線の状況と問題〔85〕
「優しさより正しさを優先させる人々の病」…櫻井義秀(北海道大学教授・宗教社会学者)
 新刊予告! 
 本誌連載の櫻井義秀教授の単行本『これからの仏教 葬儀レス社会 ─人生百年の生老病死』(本体価格2,300円)を7月下旬に刊行します! 新型コロナウイルス以後、葬儀をしたくてもできない時代が来るかもしれない。そのとき仏教は人々の苦に寄り添えるのか。寺院住職のニューノーマルが問われる必携書。 <詳細を見る>



障害者を快く迎えるお寺にしよう〔51〕
「発達障害児が問題視されているのは支援のためではない現実」…野沢和弘(毎日新聞客員編集委員)

政府は春休み前から全国の学校に休校を要請した。だが、福祉施設や事業所などには休業要請をしないため、行き場を失った障害児が学校から福祉の場へと「逆流」することになった。



[ショートルポ]
●コロナ禍でお寺はどうなっているのか取材すると……お布施激減のみならず今後の供養自粛も怖い
●役所は紙を作るだけで市民の声は聞かない!――石川県の日蓮宗住職が立ち上げた「市民を守る会」
●いくらかかってもやり抜く住職の犬猫里親探し――愛知県の曹洞宗住職による半端でないペット保護活動




[法律・税金相談]
法律相談… 長谷川正浩(弁護士)・伯母治之(弁護士)
質問1 代表役員等の欠格事項に「禁治産者等」と寺院規則にあるが改正すべきか
質問2 明治時代から寺院墓地と同様に管理してきた村落墓地を寺院名義にできるか

税金相談… 河村照円(税理士・行政書士・寺院住職)
質問1 墓地経営許可を得た土地だけど未造成だと固定資産税は課されますか
質問2 株式運用をする際に確定申告が不要な「特定口座」のメリットと注意点






 [好評連載]

 誌上講座・今からこれから未来の仏教ラボ〔19〕…松本紹圭(『未来の住職塾』塾長)
 
「檀家一人一人に直に接するお寺にしたい」 対論…渡邉元浄(静岡県真宗大谷派正蓮寺住職および社会福祉法人しょうれんじこども園園長)
 松本紹圭のテンプルゼミ(5)「デイリーの習慣とマンスリーの仏事を」



 本当の創価学会問題〔101〕
 
「創価学会はどのようにして脱会者を防ぐ方法を組織にはりめぐらしてきたのか」
  段勲
(ジャーナリスト)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔204〕
 「お寺に来られない遠方の檀家とはラインでも繋がりたい」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 色即是空の科学事始め〔170〕
 
 「第2波第3波をどうするか――新型コロナウイルスは人類の知恵を試している」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)

 既刊好評 
 本誌連載を単行本とした『人間だけでは生きられない―科学者として東京オリンピックに反対します』(本体価格2,300円)が各界より大注目です。「年をとると一日が速く過ぎるわけ」「放射線被曝限度量は誰が決めるのか」など、日本を代表する宇宙物理学者による最新科学情報の厳選70話を収録。 <詳細を見る>



 臨終医しか知らない大事な話〔19〕
 「患者さんの後悔からなるほどと思った食生活養生訓」
  志賀貢
(内科医/医学博士)


 今こそ宗教と法律の問題新講座〔68〕
 「寺院にかかわる民法改正とは何か」
  櫻井圀郎
(宗教法および宗教経営研究所長教授)


 今からの宗教酔眼千里眼〔80〕
 
「日本人と現代仏教の位相(80)――近代日本仏教者の社会福祉活動(18)」
  島薗進
(上智大学教授・日本臨床宗教師会会長)


 70億人の宗教トレンド〔121〕
 「ロヒンギャはじめ難民がコロナでさらに窮地にあることを忘れるな」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 コラム 盆踊り全国漫遊記〔58〕
 「どんな世でも盆踊りが繋ぐ世界」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)



[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 新刊刊行 
 本欄掲載を元にした、井上ウィマラ(日本仏教心理学会会長)著『子育てから看取りまでの臨床スピリチュアルケア』(本体価格2200円)が大好評です! 家族の問題や肉親の死に心をいためる人々をケアする人にこそ救いが必要な現代、臨床仏教スピリチュアルケアの第一人者による事実に即したケアの方法と効果を記す厳選50話。僧侶やカウンセラー、看護介護者、ケアワーカー、セラピストなどの専門職にこそ必読の実践書。
 
<詳細を見る>



 露の団姫のお笑い仏教寄席〔62〕
 「今年の夏はコロナだけじゃなく熱中症も食中毒も恐ろしい話」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)
 新刊刊行 
 本欄掲載のとっておきの35話を書籍にした『みんなを幸せにする話し方――露の団姫の仏っちゃけお笑い問答』(本体価格1700円)が、大好評です! 人を和やかにする法話のヒントが満載。どこから読んでも話のネタになる。仏教落語家ならではの話し方で檀信徒へのお説教も面白く伝えられます。笑いこそ法話に不可欠だと誰もがナットクの一冊。
 
<詳細を見る>



 お説教のタネ本「困難を乗り越えるため言葉の力は生きている」


 在俗の説法者〔216〕 「定員内入学拒否の涙」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)

 既刊好評 
 この連載を元にした単行本、篠原鋭一著『この世でもっとも大切な話』(本体価格1,800円)が、各方面から大絶賛です。「少年院からの手紙」「風でもいいから会いたい」「原発に引き裂かれたもの」など感動あふれる説法の話材となる30の実話を収録した最高最善のお説教読本です。また、MBSラジオで連続ラジオドラマにもなった、感涙のロングセラー『みんなに読んでほしい本当の話』第1集第2集第3集(本体価格各1,429円)、第4集(本体価格2,000円)も檀信徒や友人へのプレゼントに大好評です。



 生きるとは何か〔120〕 「カミュ『ペスト』と仏教」
  亀井鑛
(NHK Eテレ「こころの時代」元司会者)

 既刊好評 
 この連載および旧連載「伝承説話の智慧」を元にした落語と仏教説話満載の単行本、亀井鑛著『だれでもできる大往生』(本体価格1,900円)、面白くてためになる落語名作をまとめた『落語で大往生』(本体価格1,700円)がいずれも大好評。住職の法話の教本として、また人生に悩む檀信徒への施本に最適です。



 住職のための今月のことば
 
「サイトカインストーム」
  稲垣真澄
(産経新聞元編集委員・ジャーナリスト・僧侶)

 既刊好評 
 この連載を元にした稲垣真澄著『いつでも法話ができる現代布教キーワード必ず説きたい176話』(本体価格2,900円)が大好評。「TPP」「ゼロ葬・直葬・墓じまい」「ドローン」など現代を読み解くキーワード176を14のジャンルに分け、キーワードごとに見開き2頁で編集。毎日起きる出来事や変化を素早く法話に織り込むための実例集として最良最適。
 
<詳細を見る>



 すぐ使える法話セミナー〔39〕 「雨の話を説法に」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)

 既刊好評 
 なぜ人の死に仏教がかかわり、僧侶がその導師となれるのか。村越英裕著『すぐに活用できる 全宗派対応 葬儀実践全書』(本体価格4,300円)では、その答えとなる各宗の葬儀次第、戒名法名法号、歎徳文・諷誦文・引導・表白の法語、導師の説法などの全要諦をそのまま使えるように編集。僧侶必読の書。 <詳細を見る>



 法語伝道聖句三昧〔259〕 「人生には締め切りがある 小説家 伊集院静」
  峯岸正典
(曹洞宗住職、宗教間対話研究所所長)


 いまどきマンガ説法〔96〕 「断捨離」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






Copyright (C) 2006-2020 kohzansha. All Rights Reserved.