10月号画像
A5判・208頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2020年10月号の主な内容 (Vol.555)

[今月号の特集]

コロナで困窮する寺院に宗派はいかに対処しているのか
新型コロナウイルス感染拡大による寺院の重篤な減収の実態が、各種の調査結果から明らかになっている。葬儀も仏事も自粛傾向にあるから当然だ。決して高額ではない宗費を納めることすらままならないお寺が少なくない。かかる事態に、各宗派も対応策を次々に打ち出し始めている。11宗派の財政支援策を取材した。


リモート対応などお寺のオンライン化は本当に求められているのか
3密回避の風潮がお寺にも大きく影響する中、インターネットを駆使した営みが目立っている。これを歓迎する向きも多いが、それはなぜなのか。その一方、ネットを利用しない寺院との格差も危ぶまれる。現状を取材した。


なぜ副住職は師父から解任されて僧籍も奪われたのか
父は住職、息子は副住職。そんなお寺は少なくない。しかし父が副住職を解任し、破門までして、息子に「寺から出て行け」という事態になったお寺がある。まるでお寺が親子喧嘩の場にされたわけだが、ここから何を学ぶべきなのか。



檀家多数が後継の兼務住職の就任に反対するのはなぜか
代々正住職がおらず檀家の少ない兼務寺院で、先代の遷化後、新たな兼務住職が決まりかけた。ところがだ。候補者の言動に檀家は猛反発。寺院はもう8年ものあいだ住職不在の異常事態にある。



謎解きゲームやボードゲームでお寺を活性させる方法
お寺とゲーム? ピンと来ないかもしれないが、謎解きゲームで活躍する僧侶やボ―ドゲームを開催して栄えるお寺がある。また、ゲームはコミュニケーションをサポートするという研究もある。実際を取材した。



特別寄稿 コロナ以後の火葬場職員のストレスと遺族の悲嘆…武田至(一般社団法人火葬研会長)
「国内感染死1500人以上の火葬と懸念すべきこと」

新型コロナウイルスで、これまで国内では約1500人を上回る死亡が確認されているという。当然に、感染の有無を超えて火葬場がいまどうなっているのか、とくに寺院関係者は知っておきたい。



特別寄稿 コロナによって明確になった人とのつながり方の選択と意味…玉川貴子(名古屋学院大学准教授)
「インターネットによる葬儀調査結果や僧侶による相談サイト事例による分析」

思わぬ感染症蔓延で人々を悩ませる一つに、葬儀や法事や墓参という仏事がある。「身内の葬式に出られなかった」「法事に招かれなかった」「県外の墓参を自粛した」等々、寺院側もそんな声に接しているだろう。インターネットの人生相談にもそうした悩みが少なくない。その内容から何が見えるのか。



住職ルポ 心を病む老若の修行の場としてお寺を開放する住職全身全霊
住職には理想のお寺というものがあるだろう。悩める人には門戸を開けたいと思う住職も多い。それを実践する一人が千葉県の日蓮宗寺院住職だ。誰でも入れる修行の場として駆け込み寺のようにお寺を開き、悩みを抱える人の心の救済に打ち込んでいるのだ。
 新刊刊行! 
 本誌に毎号掲載している「住職ルポ」を単行本化する第二弾『だれだっておどろく! こんなにもすばらしい10人の住職』(本体価格2,000円)が発売たちまち大好評! 500人余が安楽に暮らせる老人ホームを育てる住職、性同一性障害を乗り越えた住職、毎月3000軒以上に寺報を手配りする住職、ローカル線無人駅をお寺にして人々の憩いの場にする住職など、その営みは今お寺で起きている事実が瞭然と分かる感動集です。 <詳細を見る>

 好評増刷! 
 本誌に毎号掲載している「住職ルポ」を単行本とした『みんなに知ってほしい――日本のものすごい10人の住職』(本体価格2,000円)が大好評! 貧窮者のために1日も欠かさず炊き出しを行う山寺の住職や、参拝ポイントカードや檀家出資の太陽光発電を成功させた住職、檀家ゼロから1000軒余の駆け込み寺に発展させた住職など、各地で奮闘する10人の住職の迫真のルポルタージュです。 <詳細を見る>



本誌「緊急! コロナ禍住職関心事アンケート」結果
本誌7月号で募集したアンケートの結果を紹介しよう。新型コロナウイルス感染症の拡大で、寺院収入、葬儀、法事、行事にはどんな影響があったのか。今後、お寺は変わっていくのか。オンライン化や国への意見も聞いた。



集中連載 お寺の樹木の正しい管理法(3)…笹部雄作(植物医師/樹木医)
「御霊木を突然の倒木被害から守るための方法と管理費」

お寺に昔からある御霊木であるため畏れて枝切りなどを避けたり、あるいは参詣者が根元まで近付いたりする光景を見ることがある。安全管理上からすれば、とんでもないことかもしれない。倒木の要件が揃っているからだ。



集中連載 人生100年時代の宗教指導者の長い老後問題(10)…川又俊則(鈴鹿大学副学長/宗教社会学者)
「修行を終えれば経験がなくても寺院住職になれる現実と仏教青年会の役割」

コロナ禍によって、どの宗教宗派も従来の行事や伝道方法を変えざるをえないのが現実だ。そうした一種の危機にあって、宗教指導者はどうあるべきなのかが問われていよう。教員に課されている現職研修のごとき制度が僧侶にはあるのだろうか。



今につづく近世の寺院経営史実(9)…田中洋平(淑徳大学人文学部准教授)
「祈祷寺院が無住とならないようにと懸命につとめた地徳とは何か」

寺請による檀家の固定的な収入を得られなかった多くの祈祷寺院は、どのように維持されていたのか。その実態が地方に残された史料によって明らかになりつつあるという。それはあたかも現代の寺院にも共通する問題をはらんでいる。



葬送の習俗が揺らいでいる深層にあるもの〔18〕…山田慎也(国立歴史民俗博物館教授)
「お寺に奉納された写真を超えた供養絵額の役割」

多くのお寺に檀信徒が故人の肖像画や遺影を奉納する風習があった。目的は供養だが、その絵柄をよく見ると、奉納者の思いが時代と共に微妙に変化していることが分かる。今日の遺影写真のあり方とどのように繋がるのか。



好評連載 日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)〔60〕
「首都圏で始まるさまざまな葬儀の変化が寺と檀家を分断している」…玄侑宗久(臨済宗妙心寺派住職/作家)




連載[寺院・住職に直言・提言する]
今福龍太 (文化人類学者) … 「無縁の闘い」
小島ゆかり (歌人) … 「僧の歌のおもしろさ」


 絶賛大人気! 
 本誌好評連載中の「寺院・住職に直言・提言する」より25話を厳選、収録した単行本『各界第一人者25人による今こそお寺に言いたいこと』(興山舎『月刊住職』編、本体価格2,300円)がたちまち大好評です。元首相、作家、俳優、ジャーナリストなど各界の著名人25人による寺院住職への忌憚なき意見・提言・随想は住職のみならず在家の人にもぜひ読んでほしい! <詳細を見る>



 いま、売れてます 
 富士山山頂や原爆ドーム、バチカン、エジプトのピラミッド前、全国の市役所、公園、学校、観光名所、街角、神社教会、それに各宗の寺院にも建っている「世界人類が平和でありますように」とは何か。世界194カ所に20万あまりのポールを建立した五井昌久の宗教と人生を学術的に初めて解明した第一級研究書。 <詳細を見る>



四苦八苦に応える臨床仏教ケアスタディ〔4〕…谷山洋三(東北大学大学院准教授、真宗大谷派僧侶)
「治らない病気だと医者に宣告されてお寺にやってきたビジネスマン」

住職が檀信徒の悩み事を聞くケースで一番多いのが、病気のことだろう。それも、余命宣告されたり難病だったりする場合は、何度経験しても対応が難しいのではないか。それだけに、打ち明ける本人からしてもお寺に期待するものが多いに違いない。



誌上セミナー やればできる! 寺院活性化のためのケーススタディ〔43〕
「秘境で果敢に宿坊を開設するお寺に学ぶ住職の不屈の活性力」…堀内克彦(宿坊研究会代表)

コロナ禍で経済が逼迫するなか、それも人口減少が進む過疎地で、新しい宿坊が次々に誕生している。常識では採算が危ぶまれるところだが、むしろ厳しい状況を梃子にしてお寺の素晴らしさをアピールする姿に、寺院の可能性も広がる。



連載ドキュメント 新米住職のワーキングプア記〔39〕
「SNSに助けられて酷暑とマスクのお盆を乗り越えられました」…水月昭道(浄土真宗本願寺派住職)




初めての人に仏教を説くために 最新版仏教文化基礎講座〔114〕
「釈尊が比丘に説いた繁栄のみが期待され自ら衰滅しない教え」…鈴木隆泰(山口県立大学教授・寺院住職)

 大増刷! 
 日本印度学仏教学会賞受賞者・鈴木隆泰教授の本誌連載の単行本『ここにしかない原典最新研究による本当の仏教』 第1巻―お釈迦さまはなぜ出家し、いかに覚ったか(本体価格2,400円)を大増刷しました。第1巻は、王子シッダールタ誕生から釈尊の覚りへの道、さらにサンガの発展までを詳述。大増刷ロングセラーです。また既刊の第2巻第3巻(ともに本体価格2,400円)も大好評。第2巻は釈尊の説法で重要な女性の出家や死後世界、そしてアングリマーラの殺人、提婆達多の釈尊殺害計画の全貌が分かる内容。第3巻は提婆達多の破僧説話の結末、コーサラ国の波斯匿王への釈尊の教誡を通して、布施の果報、四摂事の真実、ヴェーダの宗教と仏教の違い、六師外道の沙門の教えなど重要教説ばかり。第4巻近日発売予定。



現代日本の宗教最前線の状況と問題〔88〕
「『いのちとは何か』の答えがウイルスにある」…櫻井義秀(北海道大学教授・宗教社会学者)
 新刊刊行 
 本誌連載の櫻井義秀教授の単行本『これからの仏教 葬儀レス社会 人生百年の生老病死』(本体価格2,300円)がたちまち大好評です! 新型コロナウイルス以後、葬儀をしたくてもできない時代が来るかもしれない。そのとき仏教は人々の苦に寄り添えるのか。寺院住職のニューノーマルが問われる必読書。 <詳細を見る>



障害者を快く迎えるお寺にしよう〔54〕
「なぜ我々は難病患者の多額な医療費を払うべきなのか考えよう」…野沢和弘(毎日新聞客員編集委員))




[ショートルポ]
●「虚妄の造説」との批判に著者は感謝を込めてと――曹洞宗が日本テーラワーダ仏教協会僧侶の本に抗議!
●福岡県の真言宗御室派名誉住職が絵に描き伝えた満蒙開拓の人々の悲劇
●住職の陶芸が開いた青少年教化と高齢者福祉――愛知県の真宗大谷派住職が埴輪に託す志




[法律・税金相談]
法律相談… 大島義則(弁護士)・伯母浩之(弁護士)
質問1 土地を担保にして銀行融資で本堂を建てるが返済が滞れば責任役員に弁償義務はあるか
質問2 政府や地方自治体による調査刊行物を寺報に無断で引用したら著作権の侵害に当たるか

税金相談… 河村照円(税理士・行政書士・寺院住職)
質問1 登記簿上の基本財産額が極端に少ないのですが現実に即して修正すべきですか
質問2 僧階が上がる際の高額な義納金をお寺の支出としても課税されないでしょうか






 [好評連載]

 誌上講座・今からこれから未来の仏教ラボ〔22〕…松本紹圭(『未来の住職塾』塾長)
 
「コロナで棚経中止を寺檀興隆に繋ぐ教化」 対論…久住謙昭(神奈川県日蓮宗妙法寺住職/一般社団法人みんなの仏教代表理事)
 松本紹圭のテンプルゼミ(8)「Z世代の心を捉えるのは言葉自体に非ず」



 認知症高齢者と共に歩む僧侶如実記〔12〕
 
「認知症の方の問題行動の理由が分かるには長い時間がかかる」
  日髙明
(社会福祉士/浄土真宗本願寺派僧侶)


 本当の創価学会問題〔103〕
 
「3密回避のせいで創価学会の教義ともされる公明党の得票活動が頓挫している」
  段勲
(ジャーナリスト)


 なんたって寺族の言い分ほんねの記〔207〕
 「コロナ禍での棚経の疲れに痛む住職にムカデの恩返し」
  鏡島眞理子
(曹洞宗住職夫人)


 色即是空の科学事始め〔173〕
 
 「コロナ禍にいま必要なこと――人の命の尊厳なしの経済的繁栄とは何なのでしょうか」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)

 既刊好評 
 本誌連載を単行本とした『人間だけでは生きられない―科学者として東京オリンピックに反対します』(本体価格2,300円)が各界より大注目です。「年をとると一日が速く過ぎるわけ」「放射線被曝限度量は誰が決めるのか」など、日本を代表する宇宙物理学者による最新科学情報の厳選70話を収録。 <詳細を見る>



 臨終医しか知らない大事な話〔22〕
 「人生には越えなければならない4つの坂があります」
  志賀貢
(内科医/医学博士)


 今からの宗教酔眼千里眼〔83〕
 
「日本人と現代仏教の位相(83)――近代仏教とは何か(3)」
  島薗進
(上智大学教授・日本臨床宗教師会会長)


 70億人の宗教トレンド〔124〕
 「軍政糾弾だけでなくタブーの王室批判までもが公言されたのはなぜか」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 コラム 盆踊り全国漫遊記〔61〕
 「地元で教えられた中世芸能史」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)



[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 既刊好評 
 本欄掲載を元にした、井上ウィマラ(日本仏教心理学会会長)著『子育てから看取りまでの臨床スピリチュアルケア』(本体価格2200円)が大好評です! 家族の問題や肉親の死に心をいためる人々をケアする人にこそ救いが必要な現代、臨床仏教スピリチュアルケアの第一人者による事実に即したケアの方法と効果を記す厳選50話。僧侶やカウンセラー、看護介護者、ケアワーカー、セラピストなどの専門職にこそ必読の実践書。
 
<詳細を見る>



 露の団姫のお笑い仏教寄席〔65〕
 「ご寄進を受けて思わず『神さま、教えて!』とすがったわけ」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)
 既刊好評 
 本欄掲載のとっておきの35話を書籍にした『みんなを幸せにする話し方――露の団姫の仏っちゃけお笑い問答』(本体価格1700円)が、大好評です! 人を和やかにする法話のヒントが満載。どこから読んでも話のネタになる。仏教落語家ならではの話し方で檀信徒へのお説教も面白く伝えられます。笑いこそ法話に不可欠だと誰もがナットクの一冊。
 
<詳細を見る>



 お説教のタネ本「志村けんは完璧主義だったといわれています」


 在俗の説法者〔219〕 「次は地獄の説法者に」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)

 既刊好評 
 この連載を元にした単行本、篠原鋭一著『この世でもっとも大切な話』(本体価格1,800円)が、各方面から大絶賛です。「少年院からの手紙」「風でもいいから会いたい」「原発に引き裂かれたもの」など感動あふれる説法の話材となる30の実話を収録した最高最善のお説教読本です。また、MBSラジオで連続ラジオドラマにもなった、感涙のロングセラー『みんなに読んでほしい本当の話』第1集第2集第3集(本体価格各1,429円)、第4集(本体価格2,000円)も檀信徒や友人へのプレゼントに大好評です。



 生きるとは何か〔123〕 「『わたしはセトモノ』」
  亀井鑛
(NHK Eテレ「こころの時代」元司会者)

 既刊好評 
 この連載および旧連載「伝承説話の智慧」を元にした落語と仏教説話満載の単行本、亀井鑛著『だれでもできる大往生』(本体価格1,900円)、面白くてためになる落語名作をまとめた『落語で大往生』(本体価格1,700円)がいずれも大好評。住職の法話の教本として、また人生に悩む檀信徒への施本に最適です。



 住職のための今月のことば
 
「家に帰りたい夕方症候群」
  稲垣真澄
(産経新聞元編集委員・ジャーナリスト・僧侶)

 既刊好評 
 この連載を元にした稲垣真澄著『いつでも法話ができる現代布教キーワード必ず説きたい176話』(本体価格2,900円)が大好評。「TPP」「ゼロ葬・直葬・墓じまい」「ドローン」など現代を読み解くキーワード176を14のジャンルに分け、キーワードごとに見開き2頁で編集。毎日起きる出来事や変化を素早く法話に織り込むための実例集として最良最適。
 
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 すぐ使える法話セミナー〔42〕 「雲の話を説法に」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)

 既刊好評 
 なぜ人の死に仏教がかかわり、僧侶がその導師となれるのか。村越英裕著『すぐに活用できる 全宗派対応 葬儀実践全書』(本体価格4,300円)では、その答えとなる各宗の葬儀次第、戒名法名法号、歎徳文・諷誦文・引導・表白の法語、導師の説法などの全要諦をそのまま使えるように編集。僧侶必読の書。 <詳細を見る>



 法語伝道聖句三昧〔262〕 「オンオフを意識しない」
  天野こうゆう
(高野山真言宗住職)


 いまどきマンガ説法〔99〕 「箱舟」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






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