11月号画像
A5判・202頁・全頁2色刷
(表紙/上村淳之画伯・文化功労者)
2021年11月号の主な内容 (Vol.568)

[今月号の特集]

これからの本堂は土足で入れるのがいいか? 実際のお寺の評判
畳に椅子席の本堂が増えた。高齢社会への対応だが、土足でお参りできるお寺はまだ少ない。やはりお寺は畳という良さや伝統があるからだ。けれども本堂再建に土間を採用したお寺も少しずつ増えている。実践した5カ寺を取材した。



かつて禁止令を発した宗派もある住職寺族の高級ブランド使用賛否
装いは個性の表現だが、お寺の人間となると悩ましいところもある。高級車同様、高価なブランドを身に着けると「お布施であれを買ったのか」と陰口を叩かれかねないからだ。ファッションの自由は許されないものか? 住職や寺族のホンネを聞いた。



亡き住職の寺財流用だと檀家が寺院を糾弾したわけ
寺院と檀家が対立する要因はさまざまだが、住職の金銭問題のケースは少なくない。だが、ここに示すのは群馬県内の真言宗智山派寺院の亡き住職が残した帳簿を見た檀家の不信感からだった。それに宗門の特命住職任命への反発が加わり、檀権の強さも混乱を深めている。



寺有地の賃貸借契約期間満了で更新料を求めたら支払いを拒否された裁判の教訓
寺有地を貸しているお寺にとっては他人事でない問題だ。賃貸借期間満了に伴う更新料の支払いを拒む借地人に対して東京都の臨済宗妙心寺派寺院が訴訟を起こし、このほど判決が下されたのだ。更新料をめぐる裁判は少なくないが、果たしてお寺の請求は認められたのか。



国が宿坊を「寺泊」として補助金も出して支援するのはなぜか
観光庁は寺院の歴史的資源を活用するとして、①専門家による無償のコンサルティング、②最大780万円の補助金交付、③プロモーション強化の方針を打ち出した。コロナ禍で訪日観光客は9割も減ったが、国は一体どんな狙いなのか。公募に応じた寺院の取り組みを取材した。



12月8日の釈尊成道会を有名無実にしない活動
釈尊が悟りを開かれたことを祝う成道会をお寺でどのように催すか。決まった型がなく、柱を立てにくいだけに試行錯誤もあるようだ。チャリティを前面に打ち出したり、授与品を工夫したりといった独自の取り組みなど、ヒントになる実践例を見よう。



アフガニスタン支援に尽力する日本の仏教系団体の現況と憂慮
アフガニスタン情勢が悪化するなか、これまで同国の支援に努めてきたシャンティ国際ボランティア会やアーユス仏教国際協力ネットワークのスタッフの安全や今後の活動への影響が憂慮される。実際のところはどうなのか取材した。



住職ルポ 空き家や休耕地を活かしてお寺も集落も元気にする住職への想望
福井県越前町で、空き家となった古民家や耕作放棄地を地域資源として活用し、過疎化が著しい集落の活性化に取り組む浄土真宗本願寺派住職がいる。後継者不在で廃寺の危機にあったお寺の住職に就任し、寺院を核に地域を再生する懸命な営みには地元住民の期待も高まる一方だ。
 好評増刷! 
 本誌に毎号掲載している「住職ルポ」を単行本とした『みんなに知ってほしい――日本のものすごい10人の住職』(定価2,200円)が大好評! 貧窮者のために1日も欠かさず炊き出しを行う山寺の住職や、参拝ポイントカードや檀家出資の太陽光発電を成功させた住職、檀家ゼロから1000軒余の駆け込み寺に発展させた住職など、各地で奮闘する10人の住職の迫真のルポルタージュです。 <詳細を見る>

 第2弾も大好評! 
 本誌に毎号掲載している「住職ルポ」を単行本化する第2弾『だれだっておどろく! こんなにもすばらしい10人の住職』(定価2,200円)が発売たちまち大好評! 500人余が安楽に暮らせる老人ホームを育てる住職、性同一性障害を乗り越えた住職、毎月3000軒以上に寺報を手配りする住職、ローカル線無人駅をお寺にして人々の憩いの場にする住職など、その営みは今お寺で起きている事実が瞭然と分かる感動集です。 <詳細を見る>



新連載 廃寺のみ仏がたどった今に至る数奇な仏縁(1)…小倉つき子(奈良佐保短期大学非常勤講師)
「由緒高き古刹の仏像が散り散りにされて、いかにして救われたのか」

どんなお寺でも、なぜこの仏像がうちにあるのかと不思議に思うこともあるかもしれない。調べると遠く離れた、もう今は廃寺の仏像だったりして驚くケースもあろう。そうした廃寺ゆえの数奇なみ仏たちに注目したい。



新連載 世界激変で寺院は何をすればいい(1)…髙瀨顕功(大正大学社会共生学部専任講師)
「コロナ禍以後のお寺のあるべき将来を問うための調査結果の分析」

葬儀も法事も人が集まらなくなっている。「それはコロナのせいだから終息すればまた元に戻る」との声も聞く。しかし本当にそうなのか。もっと本質的な変化が起きているのではないか。寺院の将来にかかわる問題提起だ。



人は死んだらどこへ行けばいいのか(13)
「神社全域が死すべき者たちへの仏教の救いを思わせるのはなぜか」…佐藤弘夫(東北大学大学院教授)

東北地方で最も名高い神域といえば、出羽三山をあげる向きは多いだろう。しかし訪れると、そこには神社としては異様な死の匂いが濃厚だと筆者はいう。しかも、たとえばその湯殿山と即身仏との関係はあまりにも有名。なぜなのか。
 新刊好評発売中! 
 東北大学大学院・佐藤弘夫教授の本誌連載の単行本『人は死んだらどこへ行けばいいのか――現代の彼岸を歩く』(定価2,420円)がたちまち大好評です。人は死ねば消えてなくなるとした民族は存在しない。だが今、お墓を捨てる日本人が増えたのはなぜか。日本思想史の泰斗が列島の霊場多数を踏査した圧倒的結論とは?古代から今日に至る「他界観」激変史年表も必見。 <詳細を見る>



僧侶が見る近代における仏教者の実相(7)
「開国問題と将軍の継嗣争い、そして安政の大獄の中で寺院は何をしていたか」…髙橋秀慧(宗教史研究者)




最重要課題連載 人生100年時代の宗教指導者の長い老後問題(21)…川又俊則(鈴鹿大学教授/宗教社会学者)
「長寿化した人生にとって最も悩ましい老いの問題をいかに説けばいいのか」

仏教で説く四苦の中でも「老い」についてはそれほど多く語られることはなかったかもしれない。だが、世界に先行する超高齢化の中で多くの人々がこの問題に深刻に直面するようになった。宗教者はいかに向き合うべきなのか。



葬送の習俗が揺らいでいる深層にあるもの〔28〕…山田慎也(国立歴史民俗博物館教授)
「家々になぜ仏壇があるのか? その起源から分かること」

なぜ家に仏壇があるのかと問い、それを説法や布教のテーマにされる住職は少なくない。しかし実は、仏壇の起源は一様でなく、研究者の間でも諸説ある。仏壇を重んじない向きが増えつつある今、原初に戻って考えてみた。



新連載 なんたって女性住職の言い分ほんねの記(6)
「SDGs特にお寺こそジェンダー平等に取り組むべきと心した訳」…田邉木蓮(日蓮宗宗会議員/妙経寺住職)




好評連載 日日是薩婆訶(にちにちこれそわか)〔68〕
「忙しくても忙しそうにしてはいけない それが坊さんなれども」…玄侑宗久(臨済宗妙心寺派住職/作家)




連載[寺院・住職に直言・提言する]
栗木京子 (歌人) … 「斎藤茂吉と窿應上人」
古川日出男 (小説家) … 「ウイルスと霊魂」


 絶賛大人気! 
 本誌好評連載中の「寺院・住職に直言・提言する」より25話を厳選、収録した単行本『各界第一人者25人による今こそお寺に言いたいこと』(興山舎『月刊住職』編、定価2,530円)がたちまち大好評です。元首相、作家、俳優、ジャーナリストなど各界の著名人25人による寺院住職への忌憚なき意見・提言・随想は住職のみならず在家の人にもぜひ読んでほしい! <詳細を見る>



 いま、売れてます 
 世界194カ所に20万あまりのポールを建立した五井昌久の宗教と人生を学術的に初めて解明した、気鋭の宗教学者・吉田尚文による第一級研究書『五井昌久の思想と生涯――現代の彼岸を歩く』(定価4,180円)が好評発売中です。富士山山頂や原爆ドーム、バチカン、エジプトのピラミッド前、全国の市役所、公園、学校、観光名所、街角、神社教会、それに各宗の寺院にも建っている「世界人類が平和でありますように」とは一体何か。 <詳細を見る>



四苦八苦に応える臨床仏教ケアスタディ〔16〕…谷山洋三(東北大学大学院教授、真宗大谷派僧侶)
「高校生が社会調査でお寺を訪ねて知りたかったのは性差別問題です」

地元の小中校生たちが近在のお寺を訪ね、住職に様々な質問をするシーンは決して珍しくない。課外学習の一環だが、今回紹介するのは高校生の訪問だった。それも主なテーマはLGBTQ。しかも質問者にはそれに悩む当事者もいた。



誌上セミナーやればできる! 寺院活性化のためのケーススタディ〔55〕
「お寺系漫画が次々に生まれ読まれているのはなぜかを知るべし」…堀内克彦(宿坊研究会代表)

国も国策としたコミック戦略。そこに何とお寺を舞台にする漫画も含まれる。仏教漫画といえば手塚治虫の『ブッダ』を挙げるだろうが、今やそれを超えてテーマも深化拡散中という。



初めての人に仏教を説くために最新版仏教文化基礎講座〔127〕
「仏教徒ならば誰もが知る自燈明と法燈明の真実を読み解く」…鈴木隆泰(山口県立大学教授・寺院住職)

 既刊大好評! 
 日本印度学仏教学会賞受賞者・鈴木隆泰教授の本誌連載の単行本『ここにしかない原典最新研究による本当の仏教』第1~4巻が好評発売中です(ともに定価2,640円)。
<第1巻の詳細> <第2巻の詳細> <第3巻の詳細> <新刊・第4巻の詳細>



現代日本の宗教最前線の状況と問題〔101〕
「寺院は人々のイドコロになれるだろうか」…櫻井義秀(北海道大学教授・宗教社会学者)
 新刊刊行 
 本誌連載の櫻井義秀教授の単行本『これからの仏教葬儀レス社会――人生百年の生老病死』(定価2,530円)が大好評です! 新型コロナウイルス以後、葬儀をしたくてもできない時代が来るかもしれない。そのとき仏教は人々の苦に寄り添えるのか。寺院住職のニューノーマルが問われる必読書。 <詳細を見る>



障害者を快く迎えるお寺にしよう〔67〕
「教師による障害児へのひどい虐待がなぜになくならないのか」…野沢和弘(毎日新聞客員編集委員)




[ショートルポ]
●浄土宗宗務庁が鎌倉新書に抗議して全日本仏教会にも照会した事実――東証一部上場企業のポータルサイトにお寺の葬儀費用情報が無断掲載された
●犯罪に手を染める僧に宗門は何ができるのか――浄土真宗本願寺派の懲戒処分公示に他宗も倣うべし



[今月のグラビア]
各地で頻繁に起きる動物被害のもとは動物でないことは確か ――高野山のお寺にツキノワグマが……




[法律・税金相談]
法律相談… 橋口玲(弁護士)・牧野誠司(弁護士)
質問1 自殺しても成仏できるかと問われ、できると話した住職は罪になるか
質問2 亡き住職がもし特定B型肝炎だったら息子も給付金を請求できるか

税金相談… 河村照円(税理士・行政書士・寺院住職)
質問1 檀家から寄付を受けた無価値の土地に課され続ける固定資産税問題
質問2 今年の年末調整で留意すべき点と電子申告のメリットとデメリット






 [好評連載]

 誌上講座・今からこれから未来の仏教ラボ〔35〕…遠藤卓也(『未来の住職塾』講師)
 
「墓も葬儀も終活支援も一手に受ける寺に」 対論…中村建岳(愛知県・臨済宗妙心寺派永正寺副住職)
 松本紹圭のテンプルゼミ(21)「先祖から祖先へ新しきコモンズを」


 最新刊予告! 
 この連載を元にした単行本『みんなに喜ばれるお寺33実践集―これからの寺院コンセプト』を12月初めに出版いたします!! 



 認知症高齢者と共に歩む僧侶如実記〔25〕
 
「落ち込む入居者の気分も一瞬の冗談と笑いで心を更新させる」
  日髙明
(社会福祉士/浄土真宗本願寺派僧侶)


 本当の創価学会問題〔114〕
 
「膨大な会員数に学会は墓地をいかに供給しているのか そこにある宗教二世問題」
  段勲
(ジャーナリスト)


 今こそ宗教と法律の問題新講座〔81〕
 
「国の『働き方改革』を寺院の護持と発展のためにいかに活かすべきか」
  櫻井圀郎
(宗教法および宗教経営研究所長教授)


 色即是空の科学事始め〔186〕
 
 「人新世という自然侵略世代――人類にはあと地球が4個必要なのはなぜか」
  池内了
(総合研究大学院大学名誉教授・宇宙物理学者)

 既刊好評 
 本誌連載を単行本とした『人間だけでは生きられない―科学者として東京オリンピックに反対します』(定価2,530円)が各界より大注目です。「年をとると一日が速く過ぎるわけ」「放射線被曝限度量は誰が決めるのか」など、日本を代表する宇宙物理学者による最新科学情報の厳選70話を収録。 <詳細を見る>



 臨終医しか知らない大事な話〔35〕
 「コロナのワクチンで突然死を防ぐための接種の条件」
  志賀貢
(内科医/医学博士)


 今からの宗教酔眼千里眼〔96〕
 
「日本人と現代仏教の位相(96)――近代仏教とは何か(16)」
  島薗進
(上智大学教授・日本臨床宗教師会会長)


 70億人の宗教トレンド〔137〕
 「ミャンマー軍事政権に武力で対抗する少数民族組織に頼る民主派の形勢!?」
  荒木重雄
(アジア社会研究者・社会環境学会理事長)


 コラム 盆踊り全国漫遊記〔74〕
 「『踊る猫』人気と盆踊りの関係」
  柳田尚也
(湘南盆踊り研究会代表)



[別冊付録](12ページ) ●毎号「法話特集」の別冊が付きます。



 既刊好評 
 本欄掲載を元にした、井上ウィマラ(日本仏教心理学会会長)著『子育てから看取りまでの臨床スピリチュアルケア』(定価2,420円)が大好評です! 家族の問題や肉親の死に心をいためる人々をケアする人にこそ救いが必要な現代、臨床仏教スピリチュアルケアの第一人者による事実に即したケアの方法と効果を記す厳選50話。僧侶やカウンセラー、看護介護者、ケアワーカー、セラピストなどの専門職にこそ必読の実践書。
 
<詳細を見る>



 露の団姫のお笑い仏教寄席〔78〕
 「開山したお寺の新電話番号の実に不思議なご縁に納得して……」
  露の団姫
(つゆのまるこ、落語家)

 既刊好評 
 本欄掲載のとっておきの35話を書籍にした『みんなを幸せにする話し方――露の団姫の仏っちゃけお笑い問答』(定価1,870円)が、大好評です! 人を和やかにする法話のヒントが満載。どこから読んでも話のネタになる。仏教落語家ならではの話し方で檀信徒へのお説教も面白く伝えられます。笑いこそ法話に不可欠だと誰もがナットクの一冊。
 
<詳細を見る>



 お説教のタネ本「読者にも100年後まで残したい名言はあるはず」


 在俗の説法者〔232〕 「日本は美しい国か!?」
  篠原鋭一
(曹洞宗住職・自殺防止ネットワーク「風」代表)

 既刊好評 
 この連載を元にした単行本、篠原鋭一著『この世でもっとも大切な話』(定価1,980円)が、各方面から大絶賛です。「少年院からの手紙」「風でもいいから会いたい」「原発に引き裂かれたもの」など感動あふれる説法の話材となる30の実話を収録した最高最善のお説教読本です。また、MBSラジオで連続ラジオドラマにもなった、感涙のロングセラー『みんなに読んでほしい本当の話』第1集第2集第3集(定価 各1,572円)、第4集(定価2,200円)も檀信徒や友人へのプレゼントに大好評です。



 生きるとは何か〔136〕 「愛国心って善か悪か」
  亀井鑛
(NHK Eテレ「こころの時代」元司会者)

 既刊好評 
 この連載および旧連載「伝承説話の智慧」を元にした落語と仏教説話満載の単行本、亀井鑛著『だれでもできる大往生』(定価2,090円)、面白くてためになる落語名作をまとめた『落語で大往生』(定価1,870円)がいずれも大好評。住職の法話の教本として、また人生に悩む檀信徒への施本に最適です。



 住職のための今月のことば
 
「トランスペアレント(透明)な世界」
  稲垣真澄
(産経新聞元編集委員・ジャーナリスト・僧侶)

 既刊好評 
 この連載を元にした稲垣真澄著『いつでも法話ができる現代布教キーワード必ず説きたい176話』(定価3,190円)が大好評。「TPP」「ゼロ葬・直葬・墓じまい」「ドローン」など現代を読み解くキーワード176を14のジャンルに分け、キーワードごとに見開き2頁で編集。毎日起きる出来事や変化を素早く法話に織り込むための実例集として最良最適。
 
<詳細を見る>



 すぐ使える法話セミナー〔55〕 「観音菩薩を説法に(4)」
  村越英裕
(臨済宗妙心寺派住職・イラストライター)

 既刊好評 
 なぜ人の死に仏教がかかわり、僧侶がその導師となれるのか。村越英裕著『すぐに活用できる 全宗派対応 葬儀実践全書』(定価4,730円)では、その答えとなる各宗の葬儀次第、戒名法名法号、歎徳文・諷誦文・引導・表白の法語、導師の説法などの全要諦をそのまま使えるように編集。僧侶必読の書。 <詳細を見る>



 法語伝道聖句三昧〔275〕 「与えられるものは有限、自ら求めるものは無限」
  田中治郎
(文筆家)


 いまどきマンガ説法〔112〕 「リモート地獄」
  佐々木正祥
(真宗佛光寺派住職)






Copyright (C) 2006-2021 kohzansha. All Rights Reserved.